2019年末最後のコラム「長期変遷から見た米ドル/円相場」では長期的な時間関係を再確認し、12月26日変化日において日足転換線を押し目として上げるようなら1月初旬までの上昇は考えてよい、また下げるようなら108.5円水準でのモミアイ継続と述べました。

実際の変動は、12月26日から先行スパン下限割れとなる107.771円までの下落となりました。

日足基準線108.749円、転換線108.727円と108.5円よりもわずかながら上の水準が中心ではあるものの、この下げ方は今後の下落につながる可能性を孕むものと見たほうが良いでしょう。

12月26日は次の時間関係による重要変化日でした。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成
【図表2】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

 

・2019年4月高値から8月26日まで89日の下落に対し、8月26日から88日目。
・2016年8月16日安値から2016年12月15日高値まで88日の上昇に対し、8月26日から88日目。
・2017年1月高値から318日の下落日数に対し、2018年10月高値から318日目。

12月26日は12月2日高値に達していないものの終値ベースでは高値であり、重要変化日の高値決まり、直後の均衡表悪化は原則的には下げを示唆するものです。下げ三波動の影響力を考えれば1月13日までの下げの影響力は少なくとも考慮したほうが良いと捉えます。

また2020年11月8日は2018年10月高値起点、2019年4月高値起点いずれであっても大事な変化日でしたが、この高値決まりを12月に否定した事実もまた大事です。

108.5円水準を今一度超える可能性は1月6日安値位置では残されており、1月13日変化日までの課題は108.5円水準を越えられるかどうか、1月6日を割ってくるかということになるでしょう。

日足転換線は1月8日まで動かぬものの、以降は受動的に下げてきます。

また直近変動の時間関係では1月8日が9日の時間関係で変化日でありまして、1月8日からの下落もまた可能性としては押さえておかねばなりません。

9週足、26週足の状態もまた今週変動では大事と言えますので遅行スパンを見ておきましょう。

【図表3】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

図表3は26の遅行スパンとなります。

26週足は当週終値と26本前の寄り付きで作成するローソク足でありまして、遅行スパンの陰陽数と厳密には異なりますが(遅行スパンは終値と終値の比較)、26週足の陰陽は図表3にある通りです。

37陰連という長期の陰連時代後5陽連を出して先週陰転した状態です。現時点では今週陽転するものの、1月6日安値割れでは4陰連を出しかねません。また108.5円を戻せるようなら5陽連以上を出せる可能性が高くなります。

いずれにせよ、現時点では108.5円水準を越えきるかどうかが大事(日足基準線を上抜く)、上抜くようなら今一度108.5円水準モミアイが軸となり、1月6日を割り込むようなら2019年6月25日水準までの下落は当然考えるべきということになります。

下げが明確化するかどうかは6月25日安値水準への達し方次第であり、現時点ではそういった状態も考えにくいとみています。

今週変動は様子見とし、1月13日の在り方に注目ください。

【図表4】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

図表4は9の遅行スパンとなります。

9週足は直近13陽連を出し先週やはり陰転しています。108.5円を戻せねば陰連継続は確実であり、1月6日を割るようなら9陰連以上となってしまう可能性が高くなることがわかるでしょう。年末の下落で下げB出現となっているだけに楽観視してはいけないことがわかります。

 

※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。