図表1は2002年高値からの月足均衡表です。

2011年10月安値は80円水準を相場水準とする26ヶ月のモミアイ相場での安値でありまして、2013年からの上昇は米ドル/円の上げ時代を示唆するものでもありました。

【図表1】米ドル/円(月足)2002年~
出所:筆者作成

2015年6月高値は2007年6月高値からの下落時間よりも短い時間でこれを上抜いていますから、この時点では下げよりも上げの勢いが強いことは明確でありました。

その後現在まで2015年6月高値を上抜けず、2016年6月安値を割り込まない形で相場は推移してきていますが、2019年の変動で注目すべきは月足先行スパンを割り込んできたことといえるでしょう。

2019年1月安値は2018年3月安値をわずかながら割り込みましたが、終値ベースでみれば2016年6月安値、2018年3月安値、2019年1月安値は順次切りあがる形、2015年6月高値、2018年10月高値、2019年4月高値は切り下がる形で収束しつつありました。

これが5月の下落で月足先行スパン割れ、2018年3月安値割れにつながった事実は深く考える必要があります。

2019年8月安値からの戻り過程で、12月現在月足基準線を越えきることができていません。このまま終値ベースで月足基準線を越えられず、2020年1月、2月に受動的に下げる月足転換線を割り込むケースでは下げ三波動の在り方を真剣に考える必要が出てきます。

2016年12月起点の下げ三波動、場合によっては2002年12月、2002年1月を起点とする下げの影響力が出てくる可能性があるということです。

またここまでの変動は、2008年3月安値、2019年1月安値、8月安値とわずかながら下値を切り下げていますが、大きな意味で下げ幅が極端化しているとは言えないことがわかるでしょう。

特に2019年5月の変動では月足遅行スパンが先行スパン上限を割り込み、重なる基準線、転換線を割り込みました。この過程では日足、週足ともに先行スパン下限を割り込んでおりまして、このような下げ方をして8月安値水準でとどまっている事実もまた大きいのであります。

要するに現在の月足基準線水準、もしくは111円台半ばで交わっている月足先行スパン水準の大きなモミアイ相場がなお続いている可能性をも考えるべきでありまして、長期の時間関係はあらかじめ押さえておく必要があるでしょう。

今年変動では図表2のような長期の時間が経過しました。

【図表2】米ドル/円(週足)2011年~
出所:筆者作成
【図表3】米ドル/円(週足)2011年~
出所:筆者作成

2016年6月安値から12月24日まで907日が経過してきていますが、937日目、941日目、982日目が変化日となります。

【図表4】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

また2018年3月安値から10月高値までを第二波動とする時間関係では目先変化日が控えていますが、以降2018年10月高値から329日目、408日目が重要となる可能性があります。

今年8月安値からの上昇時間はすでに87日目となります。

大きな上げ三波動の上げの影響下にあると言い切れる状態になるためには、時間的には2016年12月高値までの上昇日数以上の上昇時間が必要でありまして、2016年12月15日までの上昇数は2016年6月安値から125日、2016年8月16日安値から88日ですから目先においては現在位置からの方向が非常に大事といえるでしょう。

明日は日足転換線が急激に上昇し相場実線との反応を試されるだけに大きく動く可能性もありますが、基準線は受動的に動かないだけに108.5円水準でのモミアイ継続となる可能性もまた十分配慮せねばなりません。

明日転換線割れでモミアイ継続、転換線を押し目としての上昇ならば1月初旬までの上昇は考えてよいということになるでしょう。


今年最後のコメントとなりますが1年ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

 

※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。