東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は181円安の2万3656円と続落しました。TOPIXやJPX日経400、マザーズ指数なども下落しましたが、東証2部指数は小幅に上昇しました。先週末の米国市場が高安まちまちで材料になりにくいなか、日経平均は66円安の2万3770円と続落して寄り付きました。間もなく179円安まで下げ幅を広げた日経平均は、その後やや持ち直したものの123円安の2万3714円で前場を終えました。ドル円が小幅に円高に振れたことなどから後場に入ってからも軟調に推移した日経平均は、引け間際に下げ幅を広げると181円安の2万3656円で取引を終えて安値引けとなりました。東証1部の売買代金は1兆4338億円と6営業日連続で1兆5000億円を下回る薄商いでした。
東証33業種は鉱業を除く32業種が下落しました。中でも金属製品が1.4%下落したほか、電気・ガス業や建設業が1.2%下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄はほとんどが下落しました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が0.3%下落したほか、ファーストリテイリング(9983)やソニー(6758)、トヨタ自動車(7203)、ファナック(6954)、三菱UFJフィナンシャル・グループ (8306)、アドバンテスト(6857)、SUMCO(3436)が下落しました。一方で任天堂(7974)や東京エレクトロン(8035)は上昇しました。
材料が出たところでは、「業務スーパー」を展開する神戸物産(3038)が27日に発表した2019年11月単独の売上高について、前年同期比約15%増となるなど高い伸び率を維持していることが好感されて0.8%上昇しました。また、一部報道で北朝鮮の軍事力強化が示唆されたことを受けて、石川製作所(6208)が2.5%高となるなど防衛関連銘柄の一角に思惑買いが入っています。そのほか26日にJ.フロント リテイリング(3086)が株式公開買い付けによる完全子会社化を発表したパルコ(8251)は10%高と続伸し、年初来高値を連日で更新しました。J.フロント リテイリングも1.3%高と続伸して年初来高値を更新しています。一方で「グローバルワーク」などのファッションブランドを展開するアダストリア(2685)は、27日に2020年2月期通期の業績見通しを上方修正したものの市場予想を下回ったことや、ソフトウェアの不具合対応に伴う特別損失の計上などが嫌気されて6.7%下落しました。
VIEW POINT: 明日への視点
大納会を迎えた日本市場は、年末年始の海外市場の変動を警戒した売りに押される展開となりました。日経平均は続落で取引を終えたものの1年の取引最終日としては1990年以来29年ぶりの高水準となっており、年間の上昇率はプラス18%と2年ぶりの水準でした。2020年は米大統領選や東京オリンピックの開催を控えており、米中貿易協議の先行きなどとともにマーケットにどのような影響を与えるかが注目されます。今年も当欄をご覧いただき誠にありがとうございました。2020年もどうぞよろしくお願いいたします。
(マネックス証券 プロダクト部)