【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 28132.05 △220.75 (12/12)
NASDAQ: 8717.32 △63.27 (12/12)
1.概況
米国市場は米中貿易協議合意への期待から大幅続伸となり、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しました。12ドル安と小幅に下げて始まったダウ平均ですがトランプ米大統領の中国との大きな合意が近いとのツイートを受けて大きく上げ幅を広げると先月27日に付けた史上最高値(28,164ドル)を上回り313ドル高の28,224ドルまで買われました。その後昼過ぎには60ドル高程度まで上げ幅を縮めたダウ平均ですが米国と中国が貿易協議の第1段階で原則合意したようだとの報道を受けて再び上げ幅を広げると結局220ドル高の28,132ドルで取引を終えています。
また、S&P500株価指数が26ポイント高の3,168ポイントとなり先月27日に付けた史上最高値(3,153ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も63ポイント高の8,717ポイントとなりこちらも先月27日に付けた史上最高値(8,705ポイント)を上回っています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比4万9000件増の25万2000件となり市場予想を上回る悪化となりました。また、11月の米卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいとなり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、金融が2%高となったほか、エネルギーも2%近く上昇しました。一方で不動産や公益事業などの4業種が下げ、不動産は1%を超える下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもシスコシステムズ(CSCO)が3%を上回る上昇となったほか、JPモルガン・チェース(JPM)も3%近く上げました。また、ダウ(DOW)とシェブロン(CVX)、ゴールドマン・サックス(GS)、エクソンモービル(XOM)も2%以上上げています。一方でボーイング(BA)とスリーエム(MMM)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)が下げ、ボーイングは2度の墜落事故を起こした737MAXについて中国当局が重要な懸念があるとの認識を示したと伝わったことで1%余り下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、2020年12月期通期の1株利益の見通しが市場予想を上回ったことでデルタ航空(DAL)が3%近く上げました。ゼネラル・エレクトリック(GE)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて4%以上上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.10%高い1.89%となりました。ドル円は円安に振れ109円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高と円安に加えて、イギリスの総選挙で与党保守党が大勝したとの出口調査の結果を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は2日に付けた年初来高値(23,529円)を大幅に更新しそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表されるうえ、3ヵ月に一度のメジャーSQです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)