ボーナスの季節です。ボーナス支給のある方にとっては、年末の楽しみの1つです。これを元手に投資デビューを考えている人もいるかもしれませんね。

このボーナス、使い方で家計の将来設計ができているか、家計は良好かどうかが分かることをご存知ですか。そして、その結果によっては、投資をしている場合ではないということも分かってしまいます。あなたの家計はどうなっているでしょうか。

ボーナスをすぐ使ってしまう人に多い理由とは?

ボーナスは臨時収入。毎月の生活費とはしなくてよいものです。「何に使いますか?」という調査があるたびに「貯蓄」が1位になるのですが、反面、「ボーナスが出てもすぐなくなります」という人が、今も昔も変わらずにいます。

ボーナスがなくなってしまう人に多いのは、毎月の赤字の補てんに使わざるを得ない人。または自動車ローンや住宅ローンでボーナス払いを利用していて、大部分の使い道が決まっている人。ボーナスを期待して、クレジットカードのボーナス払いで買い物をしている人もそうです。これは1つではなく、2つ、3つが当てはまることもあり、それでせっかくのボーナスが何に使われたかも分からないうちになくなってしまう、となっているのです。

みずほ総合研究所が公表した予測によると、2019年冬のボーナスの平均額は、事業所規模5人以上ベースの民間企業で38万1904円。前年比2.1%減となります。これは冬季ボーナスとしては4年ぶりに減少する見通しだそうです。

年末年始はクリスマス、正月と行事が多く、それにまつわる支出はボーナスで賄うと考えている人も多いことでしょう。このように使うことばかりを考えていると、なかなかボーナスを残して貯蓄へ、とはできないのです。

ボーナスから見る、家計の状態

このボーナスの使い方と減り方をみると、面白いことに家計が良好かどうか鮮明に分かります。つまり、将来を見据えたお金の使い方をしているのか、いろいろなことに対応できる家計づくりができているのかが分かるのです。

具体的にいうと、
・「使い方」からは“将来設計度”
・「減り具合」からは“(経済的)体力度・良好度”

この2つが分かり、家計の状態が推測できてしまいます。

お金の「使い方」からは、目標に合わせた貯め方ができているかが分かります。つまり、10年後にマイホームを持ちたい、3年後に車を買い換えたい、1年後に結婚したい、 2年後と4年後には子どもが進学するといった目標に向かってお金を貯めたいと考えていると余計な支出が抑制され、結果ボーナスが残っていきます。“将来設計度(ライフプラン)”がうかがえるわけです。

「減り具合」には、企業でいうキャッシュフロー(財務の健全性を測る指標の1つ)のような部分が表れ、その家計の総合的な“体力度・良好度”が推測できます。体力があるとボーナスはゆっくり減るし、体力が無い・パンク(破たん)していると即座に減っていきます。赤字の補てんなどをしていると、あっという間になくなりますから、まさしく体力がないと言える状況なのです。

ボーナスありきで暮らさないことが大事

ボーナスが早く減るということは、先に述べた通り家計に体力が無い、パンク(破たん)しているということです。ご自分が「当てはまるかも」と思われる場合は、改善するきっかけにしていただけたらと思います。

現状で既に抱えた長期の負担(住宅ローンなど)を減らすことは容易ではありませんが、短期の負担(キャッシングやクレジットカードの利用など)は工夫次第で確実に軽減できます。

ボーナスは支給のある人、ない人もおり、不確実なものです。本来、ボーナスありきで暮らしていると、会社の業績に万が一のことがあって不支給になったら、家計は目も当てられなくなります。

そして、増税や社会保障費の増加で手取りが減っている今、毎月の収入だけではなくボーナスまで使い切るというのはよくありません。老後資金や教育資金など、お金について心配することはたくさんあります。

毎月は貯められないなら、せめてボーナスで貯めてほしい、毎月の収入から数千円の積立投資の金額が出せないのなら、ボーナスから計画的に積み立てていくことも考えてほしい、そう思います。

ボーナスというありがたい一時金を生かすも殺すもあなた次第。ボーナスが出るぞ、という方は、有意義に使える支給されてうれしいものにしてください。