日経平均が11月に買い転換、パラボリック陽転に

日経平均は11月に月足のパラボリックが陽転しました(図表1)。パラボリックは相場の転換点を判断する手法。上昇トレンドでも下降トレンドでも、永久に継続することはないという前提で考えられたものです。

【図表1】日経平均(月足)
出所:マネックス証券作成

株価の上昇時、リバースポイントの上に位置している期間は強気局面。株価の下落時にリバースポイントの下に位置している期間は弱気局面です。

リバースポイントは上昇時や下落時でも、時間の経過とともに株価に追いつけるようになるのが特徴で、強気局面の時に株価が下げてリバースポイントにタッチすれば売り転換。弱気局面の時に株価が上げてリバースポイントにタッチすれば買い転換、となります。

実は、TOPIXは9月にすでに買い転換していました。今回は日経平均が後追いし、日本株は全体的に強気サインが発せられたといえます。来年を考える上で重要なサインになるかもしれません。

米ドル/円も12月に買い転換すれば日経平均の後押しに?

米ドル/円の月足のパラボリックはどうか(図表2)。依然として弱気局面にありますが、12月はリバースポイントが109.96円まで低下しています。

【図表2】米ドル/円(月足)
出所:マネックス証券作成

最近、109.72円まで円安が進む場面がありました。ただ、そこではリバースポイントが上値のフシとして意識されたもようです。この12月の間で買い転換できれば、日経平均の好転をさらに後押しする材料になるかもしれません。

年足では米ドル/円も転換線が上昇か

年足をみると面白いことが分かります(図表3)。2012年~2015年にかけて急速に円安が進行しましたが、その後の調整局面では押し目が買われています(下ヒゲを形成している)。

【図表3】米ドル/円(年足)1994年~2019年
出所:QUICK Astra ManagerよりDZHフィナンシャルリサーチ作成

一方、高値と安値のレンジでみると、2017年は11.29円、2018年9.91円、2019年7.94円と次第に値幅が小さくなっています。

12月は始まったばかりですが、年初の水準(109.56円)を意識して分岐のサインとなる「十字足」を形成する場合や、3年連続陰線の後に2019年は陽線で切り返せば、新しい円安トレンドが始まるサインとなる可能性だってあります。

一目均衡表の転換線を年足で描くと、今年の転換線は100.69円(直近9年間の高値と安値の中値)です。2020年は100.92円、2021年は106.13円に上昇します。転換線のトレンドが上向きに変わる重要な局面に入ってきます。年足に転換線を当てはめるのは少し変則ですが、シンプルな考え方でいいと思います。