米景気や米中交渉への懸念が再燃したとして、今週は株安・円高気味の展開となった。では米ドル売り・円買いは拡大するだろうか。

CFTC(米商品先物取引委員会)統計の投機筋のポジションで、今年に入り米ドル売り・円買い拡大が確認されたのは5月初めだった。同ポジションは、それまでの米ドル買い越し・円売り越し拡大が、5月初めに一巡し、米ドル買い越し・円売り越し縮小(米ドル売り・円買い)に転換した(図表1参照)。

【図表1】CFTC統計の投機筋の円ポジションの推移 (2019年)
出所:リフィニティブ・データをもとにマネックス証券が作成

この5月初めは、米ドル/円が120日MA(移動平均線)を割り込んできたタイミングだった。そしてそれ以降120日MAを下回って推移していた米ドル/円は、10月中旬に120日MAを上回ってきた。それは、投機筋が米ドル売り越し・円買い越しから、米ドル買い越し・円売り越しに転換したタイミングとほぼ一致していた。

以上のように見ると、投機筋の米ドル/円の売買転換点は120日MAブレークのタイミングとほぼ一致してきた。簡単な言い方をすると、米ドル/円が120日MAを上回ると米ドル買い、下回ると米ドル売りへ転換してきた

以上を参考にすると、冒頭の疑問、「米ドル売り・円買い拡大」の1つの目安は、足元107.8円程度の120日MAブレークということになるのではないか。