12月の日経平均は前半高・後半安を予想

12月の日経平均は前半高・後半安の展開が予想されます。11月はモミ合い基調となり、強気派と弱気派の売り買いが交錯しました。しかし、上昇が続いたあとのモミ合いは一段高につながるケースが多く、12月前半は上値を試す場面があるとみています。

為替市場では米ドル/円相場がようやく109.50円付近のフシを上回りました。110円台なども視野に入り始め、円安期待を支えに主力大型株に買いが入る公算が大きいです。

一方、米中通商協議に関するヘッドラインなどに振らされる状況は続きそうです。トランプ米大統領が「香港人権・民主主義法」に署名し成立したことで、報復措置を警告してきた中国との貿易交渉の行方に警戒が続きます。米国株は堅調ですが、中国の上海総合指数が極端に弱く、東京時間でアジア株が弱ければ上値を抑える要因になりそうです。

2013年以降9月から陽線が4ヶ月続いたことはない

12月後半は8月安値から始まった上昇相場の反動安が予想されます。9月の5.0%高、10月の5.3%高に対して、11月は1.6%高にとどまりました。月足のローソク足では9月から陽線(月初よりも月末の方が高い)が3ヶ月連続となり、上昇が一服しやすいとみられます。

【図表1】日経平均(月足)2010年1月~2019年11月
出所:マネックス証券作成

2013年から振り返ると、強い相場でも9月から陽線が4ヶ月続いたことはなく、今年の12月は陰線(月初よりも月末の方が安い)が予想されます。

上昇相場をけん引した海外投資家の買いが休暇入りにともない減少し、利益確定売りを吸収できず軟調な場面が想定されます。ただ、2012年以降の長期の右肩上がりのサポートラインに支えられており、短期的な下落時のスタンスは押し目買いと判断できるとみています。

12月も陽線なら新しいトレンドに入るサインか

逆に、予想に反して12月も陽線が続いた場合、新しいトレンドに入るサインと捉えることができるかもしれません。

2012年8月~2013年4月まで続いた9ヶ月連続陽線のように、さらなる意外高の可能性も想定する必要があるでしょう。