【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27783.04 ▼268.37 (12/2)
NASDAQ: 8567.99 ▼97.48 (12/2)
1.概況
米国市場はトランプ米大統領がブラジルやアルゼンチン産の鉄鋼などに追加関税を課す方針を示したことや、米ISM製造業景況感指数が予想に反して悪化したことを受けて大幅続落となりました。58ドル高と上昇して始まったダウ平均ですがまもなくして下落に転じると大きく下げ幅を広げる展開となり昼前には250ドル安程度まで売られました。その後も安値圏で軟調に推移したダウ平均は引けにかけてさらに下げ幅を広げ結局268ドル安の27,783ドルとほぼ安値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も97ポイント安の8,567ポイントとなっています。
2.経済指標等
11月の米ISM製造業景況感指数は48.1と前月の48.3から悪化し改善を見込んでいた市場予想も下回りました。10月の米建設支出も年率換算で前月比0.8%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、不動産と資本財・サービス、情報技術が1%以上下落したほか、素材も1%近く下げました。一方で生活必需品とエネルギーの2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)が3%安となったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)とユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も2%を超える下落となりました。一方でコカ・コーラ(KO)やプロクター・アンド・ギャンブル(PG)など6銘柄が上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、動画配信機器のロク(ROKU)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて急落し15%余り下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い1.82%となりました。ドル円は円高に振れ109円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安と円高を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋り25日移動平均線(昨日時点で23,228円)を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)