【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27766.29  ▼54.80 (11/21)
NASDAQ: 8506.21  ▼20.52 (11/21)

1.概況

米国市場は米中貿易協議についての情報が交錯するなか様子見となり小幅続落となりました。ほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は112ドル安まで売られたあと持ち直したものの前日終値近辺で上値が押さえられると引けにかけて再び下げ幅を広げ結局54ドル安の27,766ドルとなり3日続落となりました。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も20ポイント安の8,506ポイントと続落となっています。

2.経済指標等

11月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は10.4と前月から上昇し市場予想を上回りました。10月の米中古住宅販売件数も年率換算で前期比1.9%増の546万戸となり市場予想を上回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週から横ばいの22万7000件となりました。10月の米景気先行指標総合指数は前月比0.1%低下し市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産や生活必需品、一般消費財・サービスなどの8業種が下げ、不動産は1%を超える下落となりました。一方でエネルギーとコミュニケーション・サービス、ヘルスケアの3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

決算で売上高が市場予想を下回ったうえ、通期の業績見通しを引き下げたことで百貨店のメーシーズ(M)が2%以上下げました。また、半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が投資判断の引き下げを受けて5%を超える下落となったほか、半導体製造装置のKLA(KLAC)も投資判断と目標株価の引き下げを嫌気して7%近く下げています。

一方でティファニー(TIF)がフランスのLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが10月に提案した買収価格を引き上げると伝わったことで2%以上上げています。さらにネット証券大手のチャールズ・シュワブ(SCHW)がTDアメリトレード・ホールディング(AMTD)を買収する方向で協議していると報じられたことで7%を超える上昇となりました。TDアメリトレード・ホールディングは急伸し17%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%高い1.77%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が大きな下げとならなかったことからやや買い優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は引き続き米中貿易協議の行方に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)