上昇を続けた日経平均が昨年10月の窓を埋める
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。先週のコラムはお休みをいただきましたが、そのあいだの展開はどのようになったでしょうか。
まずは11月6日に公開した前回の確認からです。前回は3連休明けの東京市場で、日経平均株価が窓をあけて5日移動平均線上を回復したところまで解説し、2つのポイントを指摘しました。
ひとつは「5日移動平均線の向きが重要であること」、もうひとつは、この時あけた窓を「コモンギャップ」ではないかと判断したことです。果たして結果はどのようになったのでしょうか。また、これらの判断は正しかったのでしょうか。
それでは実際のチャートを見て確認したいと思います。
チャート上に示された日経平均株価の推移を見ますと、上向きの5日移動平均線上を維持して上昇を続けたことから、ついに昨年10月10日と11日のあいだにあけた窓を埋める結果となっているのが分かります。
このように、上向きの5日移動平均線上を維持して推移すると上昇が継続することが考えられ、将来の株価動向を予測するのに役立てることができると考えられるのです。
また、窓の種類をコモンギャップではないかとしました。窓を開けた翌営業日以降の株価は高値をつけて前述のように昨年10月に発生した窓の1つを埋め、その後は反落するわけでもなくもち合いを続けています。つまり、前回の判断は間違っていなかったと言えるのではないでしょうか。
直近は5日移動平均線がほんの少し下向きに
ただ、直近の株価動向を見るとどうでしょう。
株価が伸び悩んでいると同時に、わずかですが、11月19日の終値で5日移動平均線を割り込み、5日移動平均線もほんの少し下向きになっているのです。そのため、トレンド転換に注意する必要があると考えられます。
また仮にトレンドが転換した場合、11月1日と5日のあいだにあけた窓を埋めることも視野に入ってきます。ですので、まだ埋まっていない方の昨年10月の窓を埋めることを期待して買いポジションを持っている投資家は、トレンドが転換した場合には、一旦利益を確保したり、ポジションを減らしたりする必要が出てくることにもなりそうです。
こうした考えの積み重ねが、売買判断につながります。いわゆるスイングトレードを行う際の重要ポイントを頭に入れながら売買を行うようにすると、売り時を逃したり、高値掴みをしたりといったことを避けるのに役立ちます。
一方で、5日移動平均線上を回復すると同時に5日移動平均線が上向きに変化するようですと、昨年10月に発生した残りの窓を埋めることも考えられます。したがって、5日移動平均線を割り込んだままなのか、あるいは11月5日のように5日移動平均線上を直ぐに回復するのか、目が離せない状況になっていると思われます。
また、年末高が現実になるのかどうかにも影響を与えることになると思われますので、引き続き要注目です。