日本のアニメが、香港での若者による抗議活動に影響を与えているという英字記事を読みました。新世紀エヴァンゲリオンを始めとする日本のアニメが、大人、体制、権威というものに対して若者たちが立ち上がり、連帯して、社会全体のために闘っていく、というテーマをよく扱っており、それらを見た若者が大きく感化されていると。

抗議活動のプロパガンダで使われているポスターや動画にも、これらアニメのキャラクターや表現方法が使われ、アニメの音楽の替え歌で自分たちの歌を作ったり、それぞれがアニメの主人公に自己投影していると云うのです。香港の若者は、ハリーポッターでもディズニーでもなく、日本のアニメを見て育っていると。本当でしょうか?

簡単には信じられない話ですが、遠い国サウジアラビアでも日本のアニメは大人気らしいですし、私の世代は時代劇やスポ根もの、青春ものを見て育ったので、やはり人生観、価値観にそれなりに大きい影響を受けているように感じるので、まんざら外れていないかも知れません。記事は、憶測記事ではなく、実際の現地の様子を確認し、多くの若者にインタビューし、俺たちはシンジ(新世紀エヴァンゲリオンの主人公)だ!との声を確認しているので、アニメ・マンガ恐るべしです。

しかし、本家本元の我が国に於いては、若者にあのような強い反体制・連帯意識があるようには見えないので、やはりベースとなる生活環境・社会環境の影響が大きいのでしょう。日本にもかつて、今から60年前、50年前に安保闘争がありました。今の香港の状況と似ている感じがします。でも、行き着くところは大きく違うかも知れません。事態が少しでも建設的な方向に向かうことを願いたいと思います。