東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は113円高の2万3416円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、東証マザーズ指数など主要指数は総じて上昇しました。先週末の米国市場は上昇して主要指数が史上最高値を更新しましたが、上昇の主な材料となったクドロー米大統領国家経済会議委員長の米中交渉の合意が近いとの発言は金曜日の日本市場で既に織り込まれていたため、日経平均は1円未満の上昇と横ばいで寄り付きました。日経平均はしばらく先週末の終値を挟んでもみ合いましたが9時半過ぎからプラス圏で推移すると上げ幅を広げて一時は117円高まで上昇しました。やや上げ幅を縮めて前場を63円高で終えた日経平均は後場にはいっても小幅なプラス圏での推移が続いていましたが引けにかけて上げ幅を広げると結局113円高と1日の高値圏で取引を終えました。

東証1部の売買代金は1兆9051億円となりました。東証33業種は医薬品やその他製品、情報・通信業などの13業種が上昇しました。一方で繊維製品や石油石炭製品、水産・農林業などの20業種が下げています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は上昇した銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が1.6%高となったほか、任天堂(7974)、武田薬品(4502)、ソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)、Zホールディングス(4689)、ファーストリテイリング(9983)、トヨタ自動車(7203)、LINE(3938)がいずれも上昇しました。一方でZOZO(3092)は3%安となっています。ZホールディングスとLINEは正式に経営統合に関する基本合意書を締結したと発表し、Zホールディングスが1.2%高、LINEが2.2%高となっています。

その他材料が出たところではスマートフォン向けゲームの「ドラクエウォーク」が1000万ダウンロードを達成したと発表したコロプラ(3668)が5.4%の大幅高となりました。また、住宅用断熱材メーカーの日本アクア(1429)は通期の業績予想を大幅に上方修正するとともに配当予想も引き上げたことが好感されて15%近い大幅高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日本市場で主要指数は上昇しましたが、東証1部の値上がり銘柄数1,090に対し値下がり銘柄数973と拮抗するなど引き続き一定の利益確定売りが出ているようです。今週は日本企業の決算発表が終了し重要な経済指標の発表があまりないなどやや材料不足の1週間と言えそうですが、引き続き米中交渉の進展状況やドル円動向に注目しながらの推移となりそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)