【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 28004.89  △222.93 (11/15)
NASDAQ: 8540.83  △61.81 (11/15)

1.概況

先週末の米国市場はクドロー米国家経済会議委員長が米中貿易協議について合意に近づいていると述べたと伝わったことで米中貿易協議の進展への期待が高まり主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。61ドル高でスタートしたダウ平均は一日を通してじりじりと上げ幅を広げると222ドル高の28,004ドルと高値引けとなり、初めて28,000ドル台に乗せ13日に付けた史上最高値を更新して取引を終えています。

また、S&P500株価指数も28ポイント高の3,120ポイントとなり前日に続いて史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も61ポイント高の8,540ポイントとなり、こちらは12日に付けた史上最高値を3日ぶりに更新しています。

2.経済指標等

10月の米小売売上高は前月比0.3%増となり市場予想を上回りました。一方で11月のニューヨーク連銀製造業景況指数は2.9と前月から低下し市場予想も下回りました。9月の米企業在庫も前月比変わらずとなり市場予想を下回っています。また、10月の米鉱工業生産指数も前月比0.8%低下し市場予想を下回ったほか、設備稼働率も76.7%と前月から低下し市場予想を下回りました。さらに10月の米輸入物価指数も前月比0.5%低下し市場予想を下回りました。米輸出物価指数は前月比0.1%低下し市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材を除く10業種が上げ、ヘルスケアが2%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでも医療保険のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が5%以上上げ上昇率トップとなりました。米政府が発表した医療費に関連した新たな規則が警戒していたほど収益を圧迫する内容でなかったことから買われ、ダウ平均を1銘柄で90ドル以上押し上げました。また、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も3%高となったほか、ファイザー(PFE)とナイキ(NKE)も2%近く上げています。

一方でウォルト・ディズニー(DIS)とウォルマート(WMT)、シェブロン(CVX)が1%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算で売上高や1株利益に加えて業績の見通しも市場予想を上回った半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が急伸し9%近く上げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%高い1.83%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなかクドロー米国家経済会議委員長の発言を受けて米国市場に先行する格好で先週末に160円以上上昇した日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)