【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 27783.59 △92.10 (11/13)
NASDAQ: 8482.10 ▼3.99 (11/13)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数はウォルト・ディズニー(DIS)の大幅高などを支えに上昇し史上最高値を更新しましたが、ナスダック総合株価指数は小幅反落となりました。
ダウ平均は香港情勢の緊迫化を受けて下落してスタートし取引開始直後に104ドル安まで売られましたが、切り返すとプラスに転じ午後には114ドル高まで買われました。その後取引終盤に中国が米国産農産物の購入をためらっていると伝わると上げ幅を縮める場面もありましたが、引けにかけて持ち直すと結局ダウ平均は92ドル高の27,783ドルとなり11日に付けた史上最高値を更新して取引を終えています。
また、S&P500株価指数も2ポイント高の3,094ポイントと続伸となり8日に付けた史上最高値を小幅に上回っています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3ポイント安の8,482ポイントとなっています。
2.経済指標等
10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.8%上昇し市場予想を上回りました。一方で変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は前年同月比2.3%上昇に止まり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、公益事業と不動産が1%を超える上昇となりました。一方で金融やエネルギーなどの5業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ウォルト・ディズニーが12日に開始した動画配信サービスの契約者数が1000万人を超えたと発表したことで7%以上上げました。ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりダウ平均を1銘柄で70ドル近く押し上げています。ナイキ(NKE)もアマゾン・ドット・コム(AMZN)での販売を終了し自社サイトでの販売に注力すると伝わったことで2%高となり、ダウ平均構成銘柄でウォルト・ディズニーに次ぐ上昇率となっています。
一方でカナダの高級衣料品のカナダ・グース・ホールディングス(GOOS)が決算の説明会で最高財務責任者(CFO)が10-12月期の卸売り事業の売上高が前年同期比10%台半ばの減収になると述べたことで急落し11%近く下げています。なお、LINE(3938)の米預託証券(ADR)がヤフーを展開するZホールディングス(4689)とLINEが経営統合に向け最終調整に入ったとの報道を受けて急伸しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い1.88%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日は寄り付き前の8時50分に7-9月期のGDP速報値が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)