【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26805.53 ▼28.42 (10/24)
NASDAQ: 8185.80 △66.00 (10/24)
1.概況
米国市場は決算を受けて個別物色の展開となるなか高安まちまちとなりました。スリーエム(MMM)の下落が重石となりダウ平均は小幅に反落となりましたが、マイクロソフト(MSFT)や半導体関連株への買いを受けてS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は続伸となりました。ダウ平均は取引開始直後に100ドル高近くまで上昇しましたが、買いが続かず直ぐにマイナスに転じると昼過ぎには120ドル安近くまで売られました。その後持ち直したダウ平均ですが前日終値近辺で上値を押さえられると結局28ドル安の26,805ドルで取引を終えています。
一方でS&P500株価指数が5ポイント高の3,010ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も66ポイント高の8,185ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比6000件減の21万2000件となり市場予想を上回る改善となりました。また、10月の米製造業PMI速報値も51.5となり市場予想を上回りました。一方で9月の米耐久財受注額は前月比1.1%減となり市場予想を下回りました。民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注も0.5%減となり市場予想を下回っています。9月の米新築住宅販売件数は年率換算で前期比0.7%減の70万1000戸となり市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や公益事業、素材などの6業種が上げ、情報技術は1%を超える上昇となりました。一方でコミュニケーション・サービスやヘルスケアなどの5業種が下げています。
4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回る増収増益となったマイクロソフトが2%近く上げました。また、好決算を受けてアナリストの目標株価引き上げが相次いだ半導体製造装置のラムリサーチ(LRCX)が14%近く上げたほか、ラムリサーチの急伸を受けて同業のアプライドマテリアルズ(AMAT)も9%近く上昇しました。さらに電気自動車のテスラ(TSLA)も決算が3四半期ぶりに最終黒字となったことで急伸し17%以上上昇しています。
一方で決算が市場予想に反して減収となったスリーエムが4%余り下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ツイッター(TWTR)も決算が市場予想を下回ったうえ、10-12月期の見通しも市場予想に届かなかったことで急落し21%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は変わらずの1.76%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は昨日の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が上昇となったことから堅調なスタートが予想されます。利益確定の売りが出やすいなかで日経平均が堅調さを維持し連日での年初来高値更新となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)