窓が3日連続して発生する「三空」の形に

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今週も窓についての解説になります。前回は、年初来高値更新に対する期待がある一方で、連続して窓が発生した場合、エグゾーションギャップ(消耗ギャップ)が発生することも考えられ、注意する必要があるとしました。

さて、前週の株価はどのような値動きになったのでしょうか?早速チャートで確認したいと思います。

【図表1】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

前回は、10月15日までのチャートに基づいて解説しましたが、その翌営業日の10月16日にも窓をあけているのが分かります。

また、窓が3日連続で発生しており、いわゆる三空(さんくう)ができ上がっているのが分かります。株式投資歴が長い人はもちろん良く知っていると思いますが、三空とは3日連続して窓が発生するもので、値動きとしては3日も連続して窓をあけるようだと、エネルギーが出尽くしとなり、反落することが多いとされることから、「三空売り向かえ」といった相場格言もあるほどです。

昨年12月3日の高値が上値の抵抗に

ただ、今回のケースを見ますと、三空発生と同時に前回指摘した年初来高値を更新したあと、高値圏でとどまっているのが分かります。

このようにしてみると、10月21日現在で見る限り、「売り向かうと損失が発生している」か、「下落するまで待たされる」ことになるのではないかと思われます。

そこで、これらの窓の種類を探るために4月につけた高値の前の水準を調べてみると、チャート上に示されているように、昨年12月3日の高値22,698円が上値の抵抗になっているのを見つけました。

これは、過去に何度もお話ししましたが、株価が戻ったり、高値を更新したりする過程で、株価の上昇が止まったところがないかを調べることによって見つかるもので、「節目(ふしめ)」と呼ばれています。 

この節目があるため、過去の値幅の範囲内で発生していることになり、これら3つの窓はコモンギャップ(=普通の窓)と判断されることになるのではないかと思われます。

この節目の高値を終値で上回るかどうかが重要なカギ

さらに、前回指摘したもう1つのポイントである5日移動平均線上を維持していることもあって、エグゾーションギャップではないと考えられるのではないでしょうか。

そうしたなか、上向きの5日移動平均線上を維持しつつ、この節目の高値を超えるまでは昨年10月5日と9日のあいだや、昨年10月10日と11日のあいだにあけた窓を埋めることができませんから、今後この高値を終値で上回ることができるかどうかが重要なカギを握ると言えます。

一方で、節目を終値で上抜くことができずに5日移動平均線を割り込むようですと、25日移動平均線辺りまでの反落や三空のすべての窓を埋めることも考えられますので、高値掴みを避けると同時に、押し目買いも慎重に行う必要があると思われます。

年末高への期待が出てきた日経平均株価ですが、節目を突破して昨年10月の窓を埋めるのか、あるいは三空の窓を埋めてしまうのか、今後も目が離せない状況が続きそうです。