東京オリンピックのマラソンと競歩の開催地を札幌に変更する案をIOC(国際オリンピック委員会)は検討を始めたとのこと。なんとも唐突な話です。決めたこと、決まっていることをいとも簡単に「こっちの方がいいじゃん!」と変える考え方は、日本人には苦手のように思えます。ラグビーワールドカップの試合を中止する・しない、の件も、予め決められた、そして同意されたルールに対して、「それじゃやっぱり嫌だ!」みたいな発言が出て、これも日本の人は概ねびっくりしましたが、西欧人と日本人の間には、やはり根本的な価値観とか考え方に、大きな差があるのかも知れません。

しかし思うに、人々の間に考え方の差があるのは、至極当然のことでもあります。問題は「考え方が違う」ことよりも、そのような違う考え方の間のコミュニケーションがあまり取れていないことのように思えてきます。なんでIOCは東京都に一言も相談せずにいきなり変更案検討を発表したのか?ラグビーワールドカップで事前に同意していた試合の開催中止ルールに異を唱えた人と、日本側は果たしてその後コミュニケーションしたのか?そんなことが気になります。

正しいか正しくないか、も勿論とても大切な概念なのですが、世界の平均はどこにあるのか、とか、ばらばらの価値観の世界とコミュニケーションすること自体が大切なのだ、という概念も、日本に於いてはもっと推進していかないといけないのではないかと思う、今日この頃です。