【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 26346.01  △181.97 (10/9)
NASDAQ: 7903.74  △79.97 (10/9)

1.概況

米国市場は中国が米中貿易協議で部分合意を求めているとの報道が相次いだことで協議進展への期待が強まったことから3日ぶりに反発しました。ダウ平均は144ドル高でスタートすると昼前に85ドル高までやや弱含む場面もありましたが、堅調に推移すると午後に入って上げ幅を広げ取引終盤には260ドル高まで買われました。その後ダウ平均は引けにかけて上げ幅を縮めたものの結局181ドル高の26,346ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も79ポイント高の7,903ポイントとなっています。

2.経済指標等

8月の米卸売在庫は前月比0.2%増に止まり市場予想を下回りました。米卸売売上高も前月比変わらずとなり市場予想を下回っています。また、9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、多くの参加者が景気の下振れリスクが高まったとして利下げを支持していた一方で、数人の参加者が政策金利の据え置きを主張し利下げを巡り意見が対立していたことが分かりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも情報技術とエネルギー、素材、金融が1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)とゴールドマン・サックス(GS)、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)を除く27銘柄が上昇しました。そのなかでもマイクロソフト(MSFT)が2%近く上げ上昇率トップとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では、動画配信機器のロク(ROKU)が投資判断の引き上げを受けて急伸し9%余り上げました。一方で投資判断の引き下げを嫌気して掃除機ロボットのアイロボット(IRBT)が3%以上下げています。また、最高経営責任者(CEO)が退任すると発表した鉄鋼のUSスチール(X)が8%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い1.58%となりました。ドル円は107円半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

米中の次官級の貿易協議で目立った進展がなかったと朝方に報じられていることから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円などの動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)