75日移動平均線まで下落し大きな窓があいた

みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。今回も窓についての解説になります。では、早速ですが前回指摘したことを思い出してみてください。

前回は「短期の上昇トレンドが崩れたため、先ずは9月11日と12日の窓を埋めることが考えられそうです。また、5日移動平均線が上値の抵抗になったまま下落が続くようですと、上向きの75日や下向きの200日移動平均線辺りまで下落することが考えられます」としましたが、果たして結果は…。

【図表1】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓

チャートを見ると分かりますが、下向きに変化した5日移動平均線が上値の抵抗になったことから、株価は5日移動平均線に押し返される状態が続くと同時に、米国株の下落もあって、一気に上向きの75日移動平均線まで下落する結果となっているのが分かります。

また、一気に75日移動平均線まで下落した際には、10月2日と3日のあいだに大きな窓があく結果となっているのです。さらに、今週に入って10月7日と8日のあいだにも小さな窓があいており、反発すると同時に下向きの5日移動平均線を上回って終える結果となっています。

5日移動平均線が上向きになるまで株価の反落に注意

こうした状況のなか、今後の値動きを考える(=予測する)必要があるわけですが、みなさんはどう動くと考えますか?

ある人は、「5日移動平均線を上回ったのだから株価の反発が継続する」と考えるかもしれません。一方で別の人は、「5日移動平均線を上回っているものの、5日移動平均線の向きが下向きであるため、上向くまで底入れと判断するのは早い」と考えるかもしれません。

そこで私の考えですが、私は5日移動平均線の向きを重視していますので、5日移動平均線が上向きに変化するまでは、短期的な下降トレンドが継続中と考えます。

そのため、5日移動平均線上を維持すると同時に、5日移動平均線が上向きに変化するまでは、株価の反落に注意が必要と考え、きっかけ次第では10月7日と8日のあいだにあけた窓を埋めることを視野に入れておかなければなりません。

また、仮にこの窓を埋めたあとも75日移動平均線上を維持できれば良いですが、終値で75日に加え、200日移動平均線も割り込んでしまうようですと、9月4日と5日のあいだにあけた窓に接近したり、埋めたりすることが考えられます。

買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないようにすると同時に、押し目買いは控える必要があることを頭に入れて取引を行う必要があるのです。

一方で、5日移動平均線上を維持すると同時に5日移動平均線が上向きに変化するようですと、株価の反発が継続すると考えられそうですし、10月2日と3日のあいだにあけた窓も埋めることになるのではないかと思われます。

このように刻一刻と変化する株価動向ですが、日々の値動きだけではなく、移動平均線にも注目するようにし、トレンドの継続や変化の兆しを見逃さないようにしたいところです。