米ドル/円、均衡表との関係を注視

前回のコラム「米ドル/円、10月の重要変化日」で、10月の変化日をいくつか提示しました。

2019年5月31日起点、5月31日実線と交わる遅行スパン108.483円を相場水準とする、また6月25日安値107.408円を相場水準とする2つのモミアイを軸とした基本数値、対等数値変化日としての10月2日、8日、17日、25日。

また9月18日までの上昇日数11日に対する9月18日から11日目の10月11日などです。

9月18日高値は長期変遷上の重要変化日と重なるものであり、また5月31日水準そのものでもあり、この高値を上抜けるかどうか、上抜いた状態で上げ三波動構成の時間が十分残っているかどうかを大事としました。しかしながら、実際の変動は10月1日から下落し10月3日安値は9月24日安値を割り込む結果となっています。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

10月7日までの反発で転換線までの上昇がありましたが、10月8日現在日足基準線と転換線に挟まれる位置にあります。

今週の変動では、基準線が受動的に上昇してくるので実線自体も基準線との反応を試されることになります。しかし、上昇あっても転換線を上抜けるかどうかは問題でしょう。

今日10月8日は、6月25日から基本数値76日目の変化日です。6月25日終値と同水準であることはこの水準の重要性をやはり示唆するものでもあります。

また直近10月1日高値、3日安値の捉え方には悩ましいものがあり、5月31日から88日目、90日目と重視する89日のモミアイ日数と1日違いになっています。

いずれにせよ10月3日安値割れは、特に10月11日以降の安値割れでは下げ三波動を強調せざるを得ないものとなっています。
また前回コラムでは、小幅5陽連が出る可能性、9週足陽転の可能性から10月25日以降の上昇に期待ができるとしましたが、実際には4陽連に留まりました。9週足は何とか陽転したものの、6月25日水準割れでは陽連は難しいとせざるを得ないものとなりました。

その点を踏まえて、今回は各均衡表を確認しておきましょう。

10月25日重視は変化ありません。

【図表2】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

日足均衡表の基準線は10月8日現在107.106円ですが、10月9日107.152円、10月10日107.396円、10月11日107.479円と受動的に上昇し、しばらく動かなくなることが想定できます。

また転換線は10月11日まで107.476円で動かず、以降受動的に下げ始めることが想定されます。

10月11日は9月18日高値から18日目、8月1日からの下落日数18日、9月18日までの上昇日数18日にもみ合う変化日です。この変化日から動くのか変化日前に動くのかは、目先においては大事なポイントとなります。

動かないと仮定すれば、基準線と転換線は10月11日に確実に交わってきますが、10月11日前に10月3日を割り込むようなら2線は今週交わらぬ可能性があります。

もっともその場合は、遅行スパンが確実に相場実線に触れてくることになり、10月11日以降の下落ではやはり相場の悪化は明瞭ということになるでしょう。

【図表3】米ドル/円(週足)
出所:筆者作成

図表3は週足均衡表となります。

10月3日安値は、受動的に下げた週足転換線を割らずに済んでいます。この転換線は106.456円で10月25日変化日週まで動きません。また、10月25日週は8月安値から9本目ですから、以降転換線は急激に上げることがわかります。

均衡表の受動的変化に沿った騰落は、相場の方向を為しやすい傾向がありますから、10月25日からの上昇がやはり上昇相場にとっては大事と言えるでしょう。

また基準線も来週まで変化はないものの、以降受動的に下げ続けることがわかります。

週足で注意したいのは、2019年4月高値以降、戻り高値が週足基準線、もしくは転換線に頭を押さえられ続けていることです。ここにきてようやく転換線が下値を支える形を見せているだけに、10月3日の重要性もまた均衡表自体が示唆していることになります。

【図表4】米ドル/円(月足)
出所:筆者作成

図表4は月足均衡表となります。形自体は極めて悪く、よほどの上昇幅があっても均衡表は好転が困難です。基準線、転換線ともに当面動きませんから、上昇局面では基準線、先行スパン水準などはひとつの目安となるでしょう。

さて結論としては、何とか踏みとどまっている状態、10月25日からの一旦の戻り相場の可能性が残っている状態と見ます。目先変動では日足均衡表との反応が大事となりますが、今週の騰落で方向性が決定づけられることはないでしょう。

 

※本文ならびにチャートの時間軸は取引日で作成しています。