インデックスファンドはコストと純資産額の推移で決める

前回は、日本、先進国、新興国それぞれの株式インデックスに連動する3本の株式インデックスファンドで、世界中の株式に幅広く運用するのが良いと書きました。

債券にも株式と同じように、各エリアのインデックスに対応するインデックスファンドがあります。しかし、債券金利は世界各国で史上最低水準まで低下しており、金利からの収益はあまり期待できません。また、将来金利が上昇すれば、債券価格下落リスクがあります。現状の環境で、積極的に購入する必要はないと考えます。

株式のインデックスファンドを選択する場合、ポイントになるのは何と言っても「コスト」です。投資信託の主なコストには、購入時にかかる販売手数料と保有期間に日割でかかる信託報酬の2つがあります。

販売手数料は、ネット証券で販売するインデックスファンドでは、ほとんどがかかりません。いわゆる「ノーロード」ファンドと呼ばれる商品です。対面型の証券会社や銀行では、インデックスファンドでも販売手数料がかかる場合があります。どこで買うかが重要なことがわかります。言うまでもなく、ネット証券です。

運用会社のインデックスファンド競争は、これからも激化

もう1つのコストである信託報酬は、商品によって変わってきます。

インデックスファンドの信託報酬については、国内の運用会社が引き下げ競争を行った結果、かなりの低水準になっています。

インデックスファンドの場合、基本はインデックスに連動するので、アクティブファンドのような商品による運用成果の差はほとんどありません。だから、コストの差が運用成果の差になってくるのです。

そして、コストと並ぶもう1つのチェックポイントは、純資産と呼ばれるファンド全体の金額がどのように動いているかです。毎月着実に資金流入しているファンドは、積立で投資されている比率が高く、資産変動が激しいファンドに比べ、売買コストが低く、安定感のある効率的な運用が可能です。

株式ファンドに限らず、インデックスファンドを運用している会社は、激しく競争をしており、他社の動向を見ながら信託報酬の引き下げを頻繁に続けています。

個人的にはeMAXIS Slim シリーズの株式ファンドを積立

その中で、私がマネックス証券で積立しているのは、eMAXIS Slim というインデックスファンドシリーズです。

下記の3本のファンドを自動積立で投資して、1年に1回見直しをかけるだけ。基本的には放置しています。

日本株は…
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)

先進国の株式は…
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

新興国の株式は…
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

※これら以外の商品が悪いということではありません。どれを購入したら良いかわからないという方に一例として紹介しているので、他にも良いインデックスファンドはたくさんあります。

信託報酬率は、頻繁に変更されますが、eMAXIS Slimシリーズは、常に業界最低水準になるように運営するという方針を明確にしています。その状況が変わらない限りは、あまり細かいコストの差にこだわる必要はありません。

それより、決めたファンドにタイミングを考えないで自動積立し、余った時間は、他のことに使った方が有意義です。金融商品を使った資産運用は、できるだけコストと時間をかけない。その方が、運用成果を高めてくれるのです。