金融資産はインデックス運用で積立が基本
市場の平均であるインデックスに連動するインデックスファンドを活用する。そして、積立で「時間の分散」を実践する。
これが、私の考えるベストな金融資産の運用方法です。
銘柄選択でインデックスより高いリターンを狙うアクティブファンドは、平均するとインデックスには勝てないという過去のデータが存在します。
そして、タイミングを当てにいくと、ほとんどの個人投資家は、高値掴みになってしまう。
2つの事実を踏まえての、合理的な結論です。
どのインデックスを選ぶかが重要
ただし、インデックスの選択に関しては、注意を払う必要があります。
まず、どのインデックスを選ぶかです。基本は、出来るだけ市場全体をカバーし、同じような値動きをすることです。
例えば、日本株式のインデックスで最も有名なのは日経平均です。しかし、日経平均よりも東証株価指数(TOPIX)の方が、幅広く銘柄をカバーし、指標としては優れています。
日経平均は225銘柄だけの指数で、銘柄選択は日本経済新聞社が行っています。また、時価総額ではなく株価の単純平均なので、構成比率が歪んでいるのです。
これに対しTOPIXは、東京証券取引所第一部の銘柄全てが含まれ、時価総額で指数化されています。会社の規模に比例して指数の比率が決まります。
アメリカの株式市場も、いくつかのインデックスがありますが、有名だからといって良いインデックスとは限りません。
例えば、有名なNYダウは、わずか30銘柄だけの構成です。S&P 500という別のインデックスは、500銘柄から構成され、より幅広い銘柄構成になっています。しかし、どちらも銘柄が恣意的に選択されているという問題は残ります。
株式のインデックスは、日本、先進国、新興国で世界全体をカバーできる
しかも、海外の株式に投資をするのであれば、アメリカだけではなく、世界全体に広く投資できるインデックスに連動する投資信託を活用すべきでしょう。
海外株式は、先進国と新興国に分けられ、それぞれのインデックスが存在します。
先進国株式のインデックスで、広く使われているのは、MSCIコクサイというインデックスです。
これは、日本を除いたアメリカをはじめとする世界20ヶ国以上の先進国の株式で構成されています。
また、新興国の株式については、MSCIエマージング・マーケット・インデックスという指数があります。
中国、インド、ロシアなど、こちらも世界20ヶ国以上の新興国の株式を指数化したものになります。
先進国と新興国の株式インデックスに連動するインデックスファンドを使えば、日本株式のインデックスファンドと合わせて、3本のファンドだけで、全世界の株式に分散投資が可能になります。
海外株式は、個別の国ごとに投資しなくても良いのです。どの国のどの銘柄が上がるのか分からないのですから、最初から分散させておけば良いのです。
インデックス運用においては、どのインデックスを選ぶかが大切になることは、お分かりいただけたかと思います。
どのインデックスかが決まれば、次に考えるべきことは、具体的にどのインデックスファンドを選ぶかです。
ファンドの具体的な選択方法について、次回のコラム(その2)で説明します。