日経平均は底堅い動きが続く
今週は前週に続いて4日立会い。日経平均は底堅い動きが続いていますが、欧米株の調整含みの動きをみていると、そろそろ日本株も調整か?と思いたいところです。
短期的な過熱感から伸び悩む銘柄が目立ってきそうですが、全般的には下値は限定的で底堅い印象が続くとみられます。
信用買いの全体の残高が2年10ヶ月ぶりの水準まで減少していることに加え、このところのバリュー株(割安株)の上昇に対する懐疑的な見方から売り手(カラ売り)が増加しており、どちらかというと買い余力超のような環境にあります。
「配当再投資の買い」が入るタイミング
そういった状況の中、9月の中間期末の権利付き最終日を迎えます。加えて、年金資金などによる配当再投資に絡む先物への買いが入ることも心理的な下支え要因になります。
9月26日は権利付き最終日、翌日(9月27日)は権利落ち日となり、年金資金などTOPIX(東証株価指数)をベンチマークとする大口投資家による「配当再投資の買い」が入るタイミングとなります。
「配当再投資の買い」とは、年金資金などを運用・管理する信託銀行などが、運用ポートフォリオに占める株式資産の配当落ちによる目減りを補うため、機械的に買いを入れることを指します。配当金を実際に受け取るのは2~3ヶ月後であるため、目減り分相当額を先物買いで埋める作業を行います。
過去9月最終週の信託銀行による先物手口(TOPIX先物のみ)の実績
・(2014年) 1,768億円買い越し
・(2015年) 3,181億円買い越し
・(2016年) 3,000億円買い越し
・(2017年) 3,382億円買い越し
・(2018年) 4,483億円買い越し
今年も権利付き最終日(9月26日)の大引けにかけてか、もしくは翌日の寄り付き近辺などに買いが見込まれます。
今週は中小型株への出遅れ物色が見られるか
今年の配当落ち分はTOPIXで15.57pt程度と見込まれており、9月20日現在のTOPIX(1616.23pt)の0.96%に相当します。
TOPIXに連動する資産が世の中に37兆円あるとした場合、3,550億円(37兆円×0.96%)程度が目減りする計算になるため、その分が先物の買い需要として発生することになります。
ただ、上記の買い需要が相場上昇につながるとは限りません。大型株物色に多少の一服感がみられながらも、中小型株への出遅れ物色がみられるかが今週の焦点でもあります。新興市場のマザーズでも、底入れから立ち直る銘柄が少し増えてきたように思えます。