インデックス運用が広がれば、証券会社の収益率は低下
前回書いたように、低コストのインデックス運用が個人投資家の間で広がれば、証券会社に入る手数料率は低下していきます。
コスト低下で儲かる投資家が増えれば、顧客層は拡大する
しかし、もしコストが低くなることで運用成績が改善すれば、長期で資産運用を続ける個人投資家の数は増えていきます。多くの投資家が資産運用をやめてしまうのは損をすることが原因であり、コストが下がればその分運用成績は改善し、脱落する投資家も減っていくからです。
例えば、1人当たりの投資家から受け取る手数料が半分になったとしても、投資期間が2倍になり、投資家の数が2倍に増えればトータルでは、預かり資産は2倍となり、長期で見た収益は、むしろ増える可能性も出てきます。
金融機関と個人投資家は、元々利益が相反する関係にあります。手数料を高くすればするほど、金融機関が儲かり、個人投資家が損をするからです。双方がWin-Winになるためには、良質な金融商品を提供し、負けにくい投資方法で、長期で投資を続けてもらう必要があるのです。
きれい事に聞こえるかもしれませんが、個人投資家にしっかり収益を上げてもらうことが、最終的に金融機関の経営の安定につながります。
だから、収益を上げるためには、日本人の個人投資家のマネーリテラシーを高めていくことが重要になるのです。
投資家と金融機関のWin-Winを実現するのがインデックス運用
私は、アクティブ運用を100%否定するわけではありません。良好な運用成績を長期にわたって継続するアクティブファンドが存在することも、事実だからです。ただし、それを事前に見つけることは、簡単ではありません。
だから、まずはインデックス運用から始めてみる。それと同時に金融に関する知識を深めていき、最終的に自分に合った投資方法を確立して、実践していく。そうすれば、将来のお金に対する不安は消えていくはずです。