インデックスを上回るアクティブファンドは半分以下

金融資産で運用している人たちの間の「神学論争」があります。それは、資産運用をインデックス運用で行うのが良いか、それともアクティブ運用で行うのが良いかというテーマです。

インデックス運用とは、日本株であれば日経平均やTOPIXのような市場の平均値に連動した運用成果を目指す手法です。

一方のアクティブ運用とは、銘柄を選ぶことによって、市場平均を上回る運用成果を目指す手法です。

日本の国内にある投資信託の8割以上は、アクティブファンドです。また多くの個人投資家は、自分で銘柄選択を行うことによって、アクティブ運用を行っています。

インデックスファンドのコストは、アクティブファンドより低い

私は金融資産に関しては、ずっとインデックス投資派です。

その理由は、インデックス運用の方が低コストで、長期的にそのコストの差によって、インデックス運用の方が、高い運用成果を得られる可能性が高いと考えているからです。

資産運用で重要なのは、まずコストです。投資信託は、インデックス型の方が平均するとアクティブ型よりも低コストになっています。

今や、インデックスファンドの年間のコストは0.1%から0.2%程度まで下がりました。アクティブファンドの多くが、未だに1%以上のコストになっている事と比較すれば、優位性は明らかです。

さらに、運用成績を見ても、インデックス型を上回るアクティブ型の投資信託は、半数以下。つまり勝率は5割以下ということです。

個人投資家が、自分で銘柄を選んで売買すると、さらに勝率は低くなると思います。

アクティブ運用の劣勢は金融機関にとって「不都合な真実」

このようなアクティブ運用の劣勢は、金融機関にとっては「不都合な真実」です。投資タイミングを狙って株式の売買を繰り返してくれる投資家や、アクティブファンド購入し、高い信託報酬を払ってくれるありがたい投資家を否定することになるからです。

さらに、自社のエコノミストやストラテジストといった「金融のプロ」の存在も否定することになってしまいます。アクティブファンドが不要なら、運用会社のファンドマネージャーも不要ということになりかねません。

インデックス運用の優位性が認知され、アクティブ投資家がインデックス投資家に「改宗」していくと、手数料収入が低下し、証券会社の収益は悪化していくと思われがちです。

しかし、私は必ずしもそうとも言えないと思っています。インデックス運用が、金融機関にとって、メリットになることもあるのです。次回のコラム(その2)に続きます。