【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26362.25 △326.15 (8/29)
NASDAQ: 7973.39 △116.51 (8/29)
1.概況
米国市場は中国商務省の報道官が記者会見で中国は貿易戦争のエスカレートに断固反対し冷静な態度で問題を解決したいと述べたことに加えて、トランプ米大統領も中国との貿易協議をこれまでと違うレベルで再開すると表明したことから米中対立が一段と激化するとの懸念が後退し続伸となりました。ダウ平均は212ドル高でスタートすると朝方に150ドル高程度まで弱含む場面もありましたが、その後再び上げ幅を広げると午後には372ドル高まで買われました。結局ダウ平均は326ドル高の26,362ドルで取引を終えています。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も116ポイント高の7,973ポイントとなっています。
2.経済指標等
4-6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比2.0%増と速報値の2.1%増から小幅に下方修正されました。市場予想とは一致しています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比4000件増の21万5000件となり市場予想と一致しています。7月の中古住宅販売仮契約指数は前月比2.5%低下の105.6となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品を除く10業種が上げました。そのなかでも資本財・サービスと情報技術が1%台後半の上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)とホーム・デポ(HD)、インテル(INTC)、ナイキ(NKE)、JPモルガン・チェース(JPM)、ゴールドマン・サックス(GS)、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が2%を超える上昇となっています。
ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回る増収増益となった1ドルショップのダラー・ゼネラル(DG)が急伸し10%余り上げています。また、カジュアル衣料のゲス(GES)も決算が市場予想を上回る増収増益だったことで急伸し20%余り上げています。一方で家電量販店大手のベストバイ(BBY)が決算で売上高が市場予想を下回り、通期の売上高の見通しも引き下げたことで8%安となっています。カジュアル衣料チェーンのアバクロンビー・アンド・フィッチ(ANF)も決算が市場予想に反して減収となり、通期の売上高見通しも引き下げたことで急落し15%余り下落しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い1.49%となりました。ドル円は円安に振れ106円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)