先月下旬からスタートした3月決算銘柄の第1四半期決算も先週で終了となりましたが、日本経済新聞の集計によると第1四半期の経常利益は5%近い減益となったようです。しかし、こうしたなかでもコンセンサス予想を大幅に上回る増益を達成した銘柄も少なからずみられます。

そこで今回は第1四半期に営業利益が増益となった銘柄のなかからコンセンサス予想を3割以上上回ったものをTOPIX500採用の3月決算銘柄のなかからピックアップしてみました。例えばソニー(6758)ではコンセンサス予想を第1四半期の実績が3割余り上回ったほか、スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)ではコンセンサス予想を実績が7割以上上回っています。

市場予想を大幅に上回る増益を達成した銘柄はこちらからチェック(PDF)

決算メモ

ホシザキ(6465) 国内・海外とも上期は減益に

ホシザキが7日に発表した2019年12月期の上期決算は売上高が前年同期比0.2%減の1496億円、営業利益が同13.1%減の186億円となりました。売上高は海外が5.8%増と増益を確保したものの、国内が3.1%減と振るわなかったことで微減となりました。国内は例年より気温の低い日が多くビールサーバーの販売が苦戦したことや、外食チェーンの出店抑制で業務用冷蔵庫も伸び悩んだことに加え、不適切取引の調査対応に伴い販売活動が低下したこともあって苦戦しました。

営業利益は減収や粗利益率の低下に加えて販管費が大幅に増加したことで二桁の減益となりました。国内の営業利益は減収効果に加え、不適切取引の調査に関する費用の計上もあって16.4%減の大幅な減益となりました。また、増収となった海外の営業利益も米子会社における内部統制に関する調査費用の発生により4.0%の減益となっています。なお、国内の不適切取引に関する調査に米子会の調査をあわせるとかかった費用は合計で約11億円にのぼったようです。

上期の実績は売上高、営業利益とも会社計画(売上高で1533億円、営業利益で194億円)を下回りましたが、通期の業績予想(売上高が前期比1.3%増の2966億円、営業利益が同5.3%減の345億円)は据え置きとなりました。そのため通期の会社計画はややチャレンジングなものとの認識が会社側にもあるようです。しかし、7月に入って国内の販売に回復がみられることから計画を達成できるように努めると会社側では説明しています。