東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は144円高の2万563円と続伸しました。TOPIXやJPX日経400、新興市場のマザーズ指数も上昇しましたが東証2部指数は下げています。先週末の米国市場で主要指数が上昇したことを受け、日経平均は171円高の2万590円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に215円高まで上げ幅を広げて1日の高値をつけましたが、その後は徐々に上げ幅を縮めて前場を106円高で終えました。日経平均は後場に入ると大きな値動きは出なかったものの堅調に推移し結局144円高で取引を終えました。

東証1部の売買代金は1兆5433億円と薄商いとなりました。東証33業種はゴム製品とサービス業を除く31業種が上昇しました。中でも石油石炭製品が4%弱上げたほか、証券商品先物、不動産業、小売業、建設業などの上昇率が高くなりました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は上昇した銘柄が多くなりました。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が1.7%高となったほか、任天堂(7974)、KLab(3656)、ファーストリテイリング(9983)、トヨタ自動車(7203)、ソニー(6758)、ZOZO(3092)がいずれも上昇しました。中でもKLabは新作ゲームへの期待から買われて14%近い大幅高となっています。一方でキーエンス(6861)、三菱商事(8058)、東京エレクトロン(8035)は下げています。

材料が出たところでは、ユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)が9%近い大幅高となりました。ドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)の株式を追加取得すると発表したことが刺激となり買われました。パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスも4.2%高となっています。一方で焼肉きんぐなどの飲食店を展開する物語コーポレーション(3097)は7月の既存店売上高が前年同月比3.1%減と冴えなかったことが嫌気され6.5%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は続伸して2万500円の節目を回復しました。米国株高のほかドル円が106円台まで戻していることも安心感を誘ったようです。今週は21日に発表される7月の訪日外国人客数、23日に米ジャクソンホールで行われるパウエルFRB議長の講演などが注目材料です。

訪日外国人客数は日韓関係の悪化が報じられる中、実際の客数への影響が注目され、大幅に悪化した場合ドラッグストア等のインバウンド関連銘柄の業績悪化懸念が強まる可能性もあり注意しておきたいところです。また、パウエル議長の講演では世界的な景気悪化懸念が強まる中、今後の米金融政策に対してどのようなメッセージが発せられるか注目されます。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)