【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 25579.39  △99.97 (8/15)
NASDAQ: 7766.62  ▼7.32 (8/15)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。堅調な小売売上高を受けて景気後退への懸念が後退するなか前日に大きく下落した反動もありダウ平均とS&P500株価指数は反発しましたが、ナスダック総合株価指数は小幅に続落となりました。前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となったダウ平均は午後に入って売りが優勢になると140ドル安近くまで売られる場面がありましたが、切り返すとまもなくしてプラスに転じ取引終盤には160ドル高まで買われました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局99ドル高の25,579ドルで取引を終えています。

また、S&P500株価指数も7ポイント高の2,847ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は7ポイント安の7,766ポイントとなっています。

2.経済指標等

7月の米小売売上高は前月比0.7%増となり市場予想を上回りました。また、8月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は16.8と前月から低下しましたが市場予想を上回りました。8月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数も4.80となり市場予想を上回っています。さらに4-6月期の米労働生産性指数速報値も年率で前期比2.3%上昇し市場予想を上回りました。

一方で7月の米鉱工業生産指数は前月比0.2%低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。設備稼働率も77.5%となりこちらも市場予想を下回りました。6月の米企業在庫も前月比横ばいとなり市場予想を下回っています。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比9000件増の22万件となり市場予想を上回る悪化となりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種うち6業種が上げ、生活必需品と不動産、公益事業が1%以上上昇しました。一方でエネルギーや資本財・サービスなどの5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ウォルマート(WMT)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったうえ、通期の見通しを引き上げたことで6%以上上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、ボーイング(BA)も2%を超える上昇となり、ウォルマートとボーイングの2銘柄でダウ平均を95ドル余り押し上げています。さらにハンバーガーチェーンのシェイクシャック(SHAK)が目標株価の引き上げを受けて7%余り上げ上場来高値を更新しています。

一方で決算で示した8-10月期の売上高と1株利益の見通しが市場予想を下回ったシスコシステムズ(CSCO)が8%以上下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ゼネラル・エレクトリック(GE)は巨額損失を隠蔽しているとの会計専門家の指摘を受けて急落し11%を超える下げとなっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%低い1.53%となりました。ドル円は106円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向などをにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)