【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27222.97  △3.12 (7/18)
NASDAQ: 8207.24  △22.04 (7/18)

1.概況

米国市場はニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁の積極的な利下げを示唆する発言を受けて3日ぶりに小幅に反発しました。ダウ平均はネットフリックス(NFLX)の冴えない決算が嫌気されハイテク株中心に売りが出たことで昼過ぎに151ドル安まで下落しましたが、ウィリアムズ総裁の発言を受けて利下げ期待が高まったことから持ち直すと取引終盤には46ドル高まで買われる場面もありました。ダウ平均は引けにかけて売りに押されると結局3ドル高の27,222ドルとほぼ横ばいで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も22ポイント高の8,207ポイントとなっています。

2.経済指標等

7月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は21.8と前月から上昇し市場予想も上回りました。一方で6月の米景気先行指標総合指数は前月比0.3%低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件増の21万6000件となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や生活必需品、情報技術などの7業種が上げました。一方でコミュニケーション・サービスや一般消費財・サービスなどの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

IBM(IBM)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことで4%以上上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、半導体受託生産最大手の台湾のTSMCが決算で先行きに前向きな見方を示したことでアプライドマテリアルズ(AMAT)やラムリサーチ(LRCX)、KLA(KLAC)といった半導体製造装置関連株が買われました。アプライドマテリアルズが4%以上、ラムリサーチが3%以上、KLAが6%以上上げています。さらに決算で1株利益が市場予想を上回ったことで機械のハネウェル・インターナショナル(HON)や鉄道大手のユニオン・パシフィック(UNP)、たばこ大手のフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)も買われ、ハネウェル・インターナショナルが3%余り、ユニオン・パシフィックが6%近く、フィリップ・モリス・インターナショナルが8%以上上げています。

一方で動画配信大手のネットフリックス(NFLX)が決算で契約者数の伸びが市場予想を大幅に下回ったことで急落し10%安となりました。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて2%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%低い2.02%となりました。ドル円はさらに円高が進み107円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に反発したことや、昨日に大きく下げた反動から上昇してのスタートが予想されます。ドル円がさらに円高となるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)