【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 27335.63  ▼23.53 (7/16)
NASDAQ: 8222.80  ▼35.39 (7/16)

1.概況

米国市場はトランプ米大統領が米中交渉の合意には時間がかかるとし必要なら新たに3250億ドル相当の中国製品に関税を課す可能性があると述べたことから米中貿易摩擦への懸念が改めて意識され小幅に反落しました。ダウ平均は一日を通して前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となり結局23ドル安の27,335ドルと5日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も35ポイント安の8,222ポイントと3日ぶりの反落となりました。

2.経済指標等

6月の米小売売上高は前月比0.4%増となり市場予想を上回りました。また、7月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数も65となり市場予想を上回りました。一方で6月の米輸入物価指数は前月比0.9%低下し市場予想を下回りました。米輸出物価指数も前月比0.7%低下しこちらも市場予想を下回っています。さらに6月の米鉱工業生産指数も前月比で横ばいとなり市場予想を下回りました。設備稼働率も77.9%となり市場予想を下回っています。5月の米企業在庫は前月比0.3%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、エネルギーが1%を超える下落となったほか、情報技術も1%近く下げました。一方で資本財・サービスと素材、生活必需品の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ゴールドマン・サックス(GS)が決算で1株利益が市場予想を上回ったことで2%近く上げました。JPモルガン・チェース(JPM)も決算で1株利益が市場予想を上回ったことで1%余り上昇しています。ネット証券のチャールズ・シュワブ(SCHW)も決算が市場予想を上回る増収増益となったことで3%以上上げています。一方でウェルズ・ファーゴ(WFC)が3%安となりました。決算は市場予想を上回る増益となりましたが、金利低下で純金利収入の見通しを引き下げたことが嫌気されました。ピザ宅配のドミノ・ピザ(DPZ)も決算で既存店売上高が市場予想を大幅に下回ったことで8%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い2.10%となりました。ドル円は108円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けてやや売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の21,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)