東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は42円高の2万1685円と小幅に上昇しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数、新興市場のマザーズ指数は下落しました。昨日の米国市場でダウ平均が史上最高値を更新したことを受け日経平均は76円高の2万1720円で寄り付きました。しかし日経平均は寄り付きが1日の高値になるとすぐにマイナスに転じました。一時は53円安まで下落しましたがそこが安値になると切り返しその後は昨日の終値近辺でのもみ合いとなりました。前場を9円高と横ばい圏で終えた日経平均は後場に入ると小幅なプラス圏での推移となり結局42円高で取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆7891億円となりました。
東証33業種は精密機器や小売業、空運業などの14業種が上昇した一方で鉱業やその他製品、サービス業、機械などの19業種が下落しました。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は下げた銘柄が多くなりました。売買代金トップのファーストリテイリング(9983)は3-5月期の業績が増収増益で通期予想の上振れ期待が高まり3%超上昇して上場来高値を更新しました。ファーストリテイリング1銘柄だけで日経平均を80円近く引き上げています。また、ソフトバンクグループ(9984)、ソニー(6758)、トヨタ自動車(7203)も上昇しました。一方で日経平均構成銘柄に採用されることになり昨日急騰したバンダイナムコホールディングス(7832)が本日は8%近い大幅安となりました。その他にも任天堂(7974)、安川電機(6506)、村田製作所(6981)、キーエンス(6861)、NTT(9432)がいずれも下落しました。
材料が出たところでは、アルバイト求人メディアの「バイトル」を運営するディップ(2379)は第1四半期の決算が増収増益で好調だったことを受け8%の大幅高となりました。一方で口コミサイトのエキテンを運営するデザインワン・ジャパン(6048)は3-5月期が大幅な減収減益となったことを受け10%超の大幅安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
ダウ平均が史上最高値を更新し初の27,000ドル乗せとなりましたが、日経平均はかろうじて上昇したもののファーストリテイリング上昇の影響が大きく実質的には冴えないマーケットでした。世界景気への不安や消費税増税を控える中でなかなか日本株への期待は高まりづらいのかもしれません。なお、来週から日本株式の受け渡し期間が1日短縮されます。それにより権利付き最終日等がこれまでより1日後ろ倒しとなりますのでご注意ください。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)