米国株:S&P 500が上方にかい離率が拡大
長期のトレンドを示す200日線の傾きと株価とのかい離率が、日本のTOPIXと米国のS&P 500では随分違う状況にあり、両指数それぞれの状況から短期的な調整局面に入る可能性があるとみています。
S&P 500の200日線は緩やかな上昇基調にあり、株価は200日線から7.6%程度上方かい離しています(図表1)。順調に史上最高値まで上昇しましたが、昨年の後半以降で高値から調整し始めた水準以上にかい離率が拡大しており、買われ過ぎで高値警戒感が強く、調整が予想されます。
【図表1】S&P 500と200日移動平均線からのかい離率(2018年6月1日~2019年7月5日)
日本株:TOPIX足元上昇するも、またも上抜けず調整か
一方、図表2のTOPIXも足元上昇していますが、200日線は下落傾向にあり、株価は200日線から1.0%程度下方かい離の状況にあります。米国株のように買われ過ぎではなく、売られ過ぎからの反発局面にあるわけですが、過去に下落傾向にある200日線に近づくと、上抜けずに、調整を繰り返してきたことから、今回も夏場の短期的な調整が近いと考えることができそうです。
【図表2】TOPIXと200日移動平均線からのかい離率(2018年6月1日~2019年7月5日)
ある意味、米国株の買われ過ぎも、日本株にとってはうらやましさを感じますが、日本株にもそんな状況は期待できるのでしょうか。やはり、株価が200日線を上抜けるだけでなく、200日線が上向きになるまで待つ必要があるわけですが、その条件がそろえば一段と上昇期待が高まるとみています。
しかしながら、ここから200日前の株価水準(応当日株価)が、昨年10月高値まで100P程度グングン高くなります。200日間の平均を計算する際、高い株価がなくなり、低い株価が増えても平均値は上向きにはなりません。なので、今の株価の方が200日前よりも高い株価になるまで待つ必要があるわけです。