【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26922.12 ▼43.88 (7/5)
NASDAQ: 8161.79 ▼8.44 (7/5)
1.概況
米国市場は米雇用統計で非農業部門雇用者が市場予想を大きく上回ったことで利下げ期待が後退し反落となりました。ダウ平均は98ドル安でスタートするとまもなくして232ドル安まで売られましたが、その後下げ幅を縮めると結局43ドル安の26,922ドルで取引を終え5日ぶりに反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も8ポイント安の8,161ポイントと7日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比22万4000人増となり市場予想を上回りました。一方で平均時給は前年同月比3.1%増に止まり市場予想を下回っています。失業率も3.7%と前月から0.1ポイント悪化しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち、ヘルスケアや不動産、素材などの7業種が下げました。一方で金融やコミュニケーション・サービスなどの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
米雇用統計を受けて利下げ期待が後退したことで金融株が堅調でした。ゴールドマン・サックス(GS)が1%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、JPモルガン・チェース(JPM)やバンク・オブ・アメリカ(BAC)、ウエルズ・ファーゴ(WFC)、モルガン・スタンレー(MS)、シティグループ(C)なども小幅に上げています。
一方で利下げ期待の後退を受けて住宅建設株が売られました。レナー(LEN)とDRホートン(DHI)が2%近く下げたほか、KBホーム(KBH)も2%以上下落しています。トール・ブラザーズ(TOL)も1%以上下げました。また、韓国サムスン電子の決算で半導体部門が不振だったことで半導体株の一角が軟調となりました。エヌビディア(NVDA)が1%以上下げたうえ、インテル(INTC)も1%近く下落しています。マイクロン・テクノロジー(MU)も小幅に下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%高い2.03%となりました。ドル円は円安に振れ108円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
先週末の米国市場が下落となる一方でドル円が円安となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日中はドル円の動きをにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)