【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26526.58 ▼10.24 (6/27)
NASDAQ: 7967.76 △57.79 (6/27)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均はボーイング(BA)の下落が重石となり下落しましたが、半導体株への買いが続いたことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は上昇しました。ダウ平均は13ドル安でスタートすると71ドル安まで下落しましたが、持ち直すとプラスに転じ午後には70ドル高まで買われる場面もありました。しかし、取引終盤に上げ幅を縮めると引けにかけて下落に転じ結局10ドル安の26,526ドルで取引を終え3日続落となっています。
一方でS&P500株価指数が11ポイント高の2,924ポイントと5日ぶりに反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も57ポイント高の7,967ポイントと続伸となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件増の22万7000件となり市場予想を上回る悪化となりました。また、1-3月期の米GDP確定値は改定値と変わらずの年率換算で前期比3.1%増となり市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や不動産、ヘルスケアなどの10業種が上げ、金融は1%近く上昇しました。一方でエネルギーが下げています。
4.個別銘柄動向
2度の墜落事故を起こした737MAXに新たな不具合がみつかり米連邦航空局から修正を命じられたことでボーイングが3%近く下げました。ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなり、1銘柄でダウ平均を70ドル以上押し下げています。一方でドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで4%余り上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。
ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が引き続き買いを集めました。マイクロン・テクノロジー(MU)が3%近く上げたほか、強気の投資判断を受けてエヌビディア(NVDA)とアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も2%を超える上昇となっています。また、旅行サイト大手のトリップアドバイザー(TRIP)も投資判断の引き上げを受けて6%近く上げています。さらに住宅建設大手のKBホーム(KBH)も決算が市場予想を上回ったことで8%近く上昇しました。食品のコナグラ・ブランズ(CAG)は決算で売上高と1株利益が市場予想を下回ったことで急落し12%余り下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い2.01%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場が高安まちまちとなったうえ、ドル円もやや円高となるなど新たな買い材料に乏しいことから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか米中首脳会談を明日に控え様子見ムードの強い一日となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)