米中首脳がG20で会談へ、日経平均は大幅高でスタート
みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永です。
東京市場はFOMCや日銀の金融政策決定会合、G20を控え、様子見ムードが広がり売買高や売買代金は低水準で盛り上がらない状況が続いています。そうしたなか、現地時間の6月18日、トランプ大統領がG20で中国の習近平国家主席と会談すると発表し、翌日の東京市場は窓をあけて大幅高となっています。
では、この窓をあけて発生した大幅高がチャート上でどのような形になり、どのように判断すればよいのかについて解説したいと思います。
窓があいたときに先行きを予想するトレーニングに
ただ、この原稿を執筆しているのは6月19日の午前中で取引時間中のためローソク足が確定していません。しかし、実際の取引ではこのような状況で株価の先行きを予測し売買判断に結び付けていかなければなりません。
そう考えますと、今回のケースは窓があいたときに判断する良いトレーニングと言っても良いかもしれません。
では、これまでの値動きの確認からです。6月18日までのチャートを見ますと、終値で5日、25日の移動平均線を下回っており、「今月7日と10日の間にあけた窓を埋めるのか」といった値動きに見えました。
しかし、そこから6月19日の朝には前述のトランプ大統領の発言を受け、窓をあけて大幅高で始まっているのです(繰り返しになりますが、チャート上にはその窓をあけたローソク足は表示されていませんので勘違いしないようにしてください)。
窓があいたまま陽線を形成するか、売り物に押され窓が埋まるか
では、6月18日までのチャートに窓をあけたローソク足が追加されたとなりますと、どういった状況を想定しなければならないのでしょうか。
仮に窓があいたまま陽線を形成すると判断した場合に注意が必要なのが、下向きに変化している75日移動平均線を上回ることができるかどうかです。
窓があいたまま陽線を形成し75日移動平均線に接近して終え、翌営業日以降も上昇が続いた場合、75日移動平均線が上値の抵抗になると考えられるため、この移動平均線を上抜けるかどうかが株価の戻りが続くかどうかの重要なポイントになります。
一方で、この日(6月19日)の取引終了にかけて売り物に押される展開となり、窓が埋まってしまった場合や、翌営業日に反落して窓が埋まってしまう場合も考えられます。そのため、高値掴みにならないよう注意が必要と言うことになります。
そもそもどちらと判断するかによって投資行動は異なりますが、仮にこの窓をコモンギャップ(普通の窓)と判断した場合、どちらのケースも考えられますので安易なポジション形成は控える必要があると思われます。
今週はトランプ大統領の発言で、来週末のG20が終了するまで期待がつながる状況となっていますが、途中にFOMCや日銀金融政策決定会合なども予定されており、コモンギャップを埋めたり、75日移動平均線を突破したりすることも考えられます。どちらに動くにせよ慎重に対応する必要があるのではないかと思われます。