東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は2円安の2万774円と小幅に反落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。昨日の米国市場で主要指数は上昇しましたが、市場の買い意欲は高くなく日経平均は30円安の2万745円と小安く寄り付きました。日経平均は寄り付き後にプラスに転じると2万800円台を回復し一時は66円高まで上昇しました。前場を56円高で終えた日経平均は後場に入っても小幅高で推移する時間帯が長くなりましたが引けにかけて失速すると結局2円安と小幅に反落して取引を終えました。

東証1部の売買代金は1兆8427億円と活況の節目とされる2兆円を下回りました。東証33業種は空運業や情報・通信業、ゴム製品、陸運業、化学、不動産業、小売業の7業種が上昇しました。一方で鉱業や石油石炭製品、鉄鋼、非鉄金属などの26業種が下落しました。東証1部の値上がり銘柄数649に対し値下がりは1,400と値下がり銘柄数が多くなりました。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)が3.2%高となったほか、ファーストリテイリング(9983)も3%近く上昇しました。この2銘柄で日経平均を100円近く押し上げました。その他にもトヨタ自動車(7203)、楽天(4755)、第一三共(4568)、NTT(9432)が上昇しました。一方で任天堂(7974)、ソニー(6758)、村田製作所(6981)は下落しました。中でも村田製作所は4%近い下げとなりました。

その他材料が出たところでは、ドラッグストアの薬王堂(3385)が2%近く上昇しました。5月の既存店売上高が前年同月比5.2%増だったと発表したことが好感されました。また、大手証券が投資判断と目標株価を引き上げたコインパーキング運営のパーク24(4666)が5%近い大幅高となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

小幅なプラス圏で推移する時間帯の長かった日経平均ですが、引けにかけて失速しました。日経平均は2円安で下落率は0.01%ですが、TOPIXは0.3%安であり本日の日本市場の実態としては小幅安というところでしょう。昨日日本市場は大幅反発しましたが、昨日の当欄でも記したように足元の世界的な株価調整は米中の貿易対立に伴う景気停滞への警戒感が根本にあることから、その問題に改善の兆しが見られない限りは本格的な株価反騰は期待しづらいと言えそうです。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)