東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は190円安の2万410円と大幅に続落しました。TOPIXやJPX日経400、東証2部指数や新興市場のマザーズ指数など主要指数は総じて下落しました。先週末の米国市場で主要指数が下落したこと、ドル円が108円台前半まで円高に振れたことを受け日経平均は273円安の2万327円で寄り付きました。日経平均は寄り付き後に295円安と1日の安値をつけましたがその後はやや値を戻し11時前には163円安と1日の高値をつけました。その後やや下げ幅を広げて前場を239円安で終えた日経平均は後場に入るとさらに下げ幅を広げる展開となり、前場につけた安値に接近する場面もありました。

日経平均は結局190円安と大幅に続落して取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆1136億円でした。東証33業種は電気・ガス業や陸運業、不動産業などの6業種が上昇しましたが残る27業種は下落しました。中でも石油石炭製品と証券商品先物は3%超下落しています。

2.個別銘柄等

東証1部の売買代金上位銘柄は多くが下落しました。米国市場でハイテク株が大きく売られた流れが嫌気されたのか、売買代金トップのソフトバンクグループ(9984)は6.2%の大幅安となりました。その他にも任天堂(7974)、武田薬品(4502)、トヨタ自動車(7203)、キーエンス(6861)、ソニー(6758)、村田製作所(6981)、三菱UFJ(8306)、東京エレクトロン(8035)がいずれも下落しました。中でもキーエンスは4.2%安、村田製作所も3.7%安と大きく売られました。一方でファーストリテイリング(9983)が小幅に上げています。

材料が出たところではコロプラ(3668)が12%近い大幅高となりました。スクウェア・エニックス(9684)の新作ゲームを共同開発すると伝わり買われました。コロプラは一時ストップ高となったほか、スクウェア・エニックスも6%近く上昇しています。また、競合のスギホールディングス(7649)やマツモトキヨシホールディングス(3088)と資本業務提携や経営統合に関する検討を開始したと発表したドラッグストアのココカラファイン(3098)はストップ高となりました。なおスギホールディングスとマツモトキヨシホールディングスは下落しました。また、株式の売出しを発表した居酒屋の串カツ田中ホールディングス(3547)は12.5%の大幅安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

週初から日経平均は大幅な下げとなりました。米中の貿易戦争に伴う世界的な景気停滞についての警戒感が高まっています。今週の焦点の1つは日経平均が2万円を維持できるかというところになりそうです。また、今週は今夜発表されるISM製造業景況指数や雇用統計など米国の重要経済指標にも注目が集まります。

(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)