投資信託を知ろう

こんにちは、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です。企業型であってもiDeCoであっても、確定拠出年金は、自分で運用商品を選び資産運用をしていかなければなりません。選べる商品は、元本確保型と元本変動型の二種類があり、前者は定期預金、後者は投資信託です。超低金利の今、元本確保型だと、お金は減らないけれど増えないので、「時間を味方」にできる若いみなさんであれば、投資信託にぜひ挑戦してみたいところ。

投資信託のことをファンドと言いますが、これは「投資」をとても効率的に行うための非常に優れた仕組みです。例えば個人が株式投資をすることを考えてみてください。何千とある株式会社の中から、どこの会社が成長するのか、どの株が上がるのかを決めるのは相当難しいです。しかし投資信託ではファンドマネージャーという投資のプロがみなさんに代わって、投資先を選んでくれるというメリットがあります。

また、ひとつの会社にだけ投資をすると、万が一その会社が倒産したときにその投資資金を失ってしまうので、複数の会社に分散投資をしたほうがよいと考えられますが、なかなか個人の財力ではそれもかないません。その点、投資信託は数多くの投資家から集めたお金で投資をしますから、大きな資金を元手にたくさんの株式会社に投資をするので、投資先の会社が一度に倒産しない限り投資資金を失ってしまうということはありません。

マネックス証券のiDeCoの場合、25種類のファンドが設定されています。(※)これらの投資信託は、「投資先」で更に分類されます。国内の株式、国内の債券、国内の不動産、海外の株式、海外の債券、海外の不動産といったものです。日本や海外の株式というと、主要な株価指数(日本でいうと日経平均やTOPIX等)に連動したパフォーマンスを目指して運用しているファンド(パッシブファンド)で運用管理費用(信託報酬等)が業界最低水準のもの。主要な株価指数を上回る成績を目指すファンドアクティブファンドでは、長期で良好な実績があり、今後も継続可能と判断されているものが選ばれているようです。

債券というのはいわゆる国債とか社債といったものに投資をすることです。例えば日本の債券であれば、国にお金を貸して利息を得るという意味です。貸付なので、株式と比べると安定した利子収入が前提なので運用は比較的安定しています。

不動産というのは、みんなでビルオーナーになって家賃収入を得ましょうといったものです。家賃というものは、契約によって一定の家賃収入が見込めるものですから、株式と比較するとミドルリスクミドルリターンと考えられています。

(※)2019年5月10日現在の取り扱い本数となります。

地球に丸ごと投資をするが基本

投資の基本は、長期・積立・分散投資です。これは上手なお金の増やし方の基本の考え方だと思って、覚えてしまいましょう。特に確定出年金は、だまっていても長期・積立が実行できるので、分散を意識すれば初期設定は完了です。

この分散で大事なのは「グローバル」。特定の国や地域に投資をするのではなく、地球に丸ごと投資をするがポイントです。すると先ほどお伝えした、投資先の異なる投資信託を組み合わせて「分散」します。

例えば、国の年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の分散投資は、日本の債券に35%、日本の株式に25%、外国の債券に15%、外国の株式に25%ずつを基本方針としています。当然株式や債券の価値は変動するので、一旦決めた比率も時間の経過とともに崩れてくるので定期的に配分の組みなおし(リバランス)をしながら運用していますが、2001年以降の収益率は年率2.73%です(2018年度第3四半期現在)

もし、投資信託を選んで組み合わせるのが大変ということであれば、あらかじめファンドマネージャーが分散をセットしてくれている「バランスファンド」も候補の1つとして考えられます。

これからの市場の動きなどだれも予測はできませんが、長期、積立、分散投資の基本を押さえ、投資にチャレンジしてみましょう。ちなみに、マネックス証券iDeCoの「お金のプロにiDeCoを学ぶ」のコーナーは筆者が動画で解説していますので、良かったら見てみてください。