【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 26597.05 ▼59.34 (4/24)
NASDAQ: 8102.02 ▼18.81 (4/24)
1.概況
米国市場は前日に大きく上げた反動から小幅反落となりました。ダウ平均は3ドル安でスタートしまもなくして73ドル安まで下げ幅を広げた後持ち直しプラスに転じると24ドル高まで上昇する場面もありましたが、買いが続かず再びマイナスになるとその後は取引終了まで軟調に推移しました。結局ダウ平均は59ドル安の26,597ドルで取引を終え反落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も18ポイント安の8,102ポイントと4日ぶりの反落となりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーやコミュニケーション・サービス、素材などの8業種が下げ、エネルギーは2%近く下落しました。一方で不動産と公益事業、生活必需品の3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
シェブロン(CVX)が3%余り下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。シェブロンが買収を提案しているアナダルコ・ペトロリアム(APC)に対してオキシデンタル・ペトロリアム(OXY)が総額570億ドルでの買収を提案したことで買収合戦に発展する可能性が意識され売りが優勢となりました。アナダルコ・ペトロリアムは急騰し11%以上上げています。
また、キャタピラー(CAT)も3%安となり、ダウ平均構成銘柄でシェブロンに次ぐ下げとなりました。決算は市場予想を上回る増収増益となりましたが、最高経営責任者(CEO)が中国市場での競争激化に言及したことなどが嫌気されました。AT&T(T)も決算で売上高が市場予想を下回ったうえ、テレビ事業の契約者が減ったことから4%余り下げています。
一方で半導体大手のテキサス・インスツルメンツ(TXN)が2%近く上げました。決算は減収減益だったものの、売上高や1株利益が市場予想を上回ったことが好感されました。鉄道輸送のノーフォーク・サザン・コーポレーション(NSC)も決算が市場予想を上回る増収増益となったことで2%以上上げています。
なお、取引終了後に決算を発表したフェイスブック(FB)は売上高や月間利用者数が市場予想を上回ったことから時間外で上げています。同じく取引終了後に決算を発表したマイクロソフト(MSFT)も1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い2.52%となりました。ドル円はやや円安に振れ112円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
米国市場が小幅反落となる一方でドル円がやや円安となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定です。金融政策に変更はないとみられますが、今後の物価上昇についてどのような見通しが示されるか注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)