前回のコラム「底値圏にあるユーロ/米ドル相場」では、ユーロ/米ドルの9週足が陽転できなかったことで3月7日底値には疑問が生ずるとしました。基準線を超えられるようなら3月7日底値には確からしさが増し、超えられないようなら4月26日、27日までの下げ圧力を考慮せねばならないと述べました。

4月12日、17日に1.13234とわずかながら基準線を上抜いたものの、4月18日1.2261と転換線を割り込み、4月23日現在転換線まで戻せぬ状態です。

4月26日、27日以降も5月1日、9日など大事な変化日が控えていますが、現在位置では変化日よりも4月2日安値を割らずに済むかどうかのほうが大事といえるでしょう。

図表1の日足変動では、仮に基準線までの上昇があっても遅行スパンの好転は容易ではありません。しかし、5月7日(4月2日から26日目)まで4月2日安値を割らずに済めばわずかな反発で遅行スパンは好転できる可能性があります。逆に現在位置から4月2日を割ってくるようならば、遅行スパンは容易に好転できないことがわかるでしょう。

【図表1】ユーロ/米ドル(日足)
出所:筆者作成

これは日足だけでなく週足も同様です。現在位置ならば5月7日、9日週に遅行スパンは実線と一旦交わることができますが、4月2日を割るようならば触れることすらできず悪化したままとなります。

9週足(9の遅行スパンと考え方は同じ)もまた同様でありまして、4月2日安値を割らずに済めば5月7日、9日週に一旦好転することができるのです。

週足遅行スパン(26週足)、9週足もまた直近変動の在り方は非常に大事なものとなりますが図表2をご覧ください。

【図表2】ユーロ/米ドル(週足)
出所:筆者作成

26週足(当週終値と26本前の寄り付きでローソク足を作成したもの、考え方は遅行スパンと同じ)は今週49連目となりますが、基本数値である51陰連目に遅行スパンは相場実線と交わる可能性があります。

基本数値足の陰連数、陽連数も基本数値、対等数値に律せられやすい傾向がありますが、ここで一段下げるようならば51陰連以上が確定的になりまして、前53陽連よりも多い陽連数となってしまう可能性が高くなります。

このような場合下げがより明確化することは多々あります。

また9週足は今週11陰連目となりますが、2018年4月からの9週足の推移は23陰連→1陽→2陰→2陽→9陰連→3陽→1陰→2陽→11陰連となります。

この陰連数も13陰連目、17陰連目陽転の可能性を探ることとなりますが、前23陰連があるだけに13陰連以上が確定的になれば下げが明確化しやすいものと言えます。

今一度、図表3で4月2日の時間を整理しておきましょう。

4月2日は2017年1月安値から293日の上昇に対し2018年2月高値から292日目の対等数値の安値決まりのポイントでありました。

3月7日からの二番底であり、その後の均衡表好転であれば戻り相場の持続性を考えてよいポイントでありました。

【図表3】ユーロ/米ドル(週足)
出所:筆者作成

より長期の波動変遷で2014年10月高値からの三波動としての時間関係がほぼ適切なものとなっています。


米ドル/円相場はほとんど動かずあまりコメントすべきことが無いのですが、今週は9週足が9陽連目となっています。来週111.847円以上で陽連継続となりますから、この水準を割らずに済むかどうかが大事でありますが、週足遅行スパンは容易に好転できず上昇あっても限定的であります。

ここではむしろ悪化の懸念が強い相場位置であります。