米国株頼みで勢い付く日経平均のリスク要因

日経平均は200日線を上回り、ダウ平均にキャッチアップが始まったのでしょうか。確かにダウ平均は史上最高値までの値幅があとわずか、となると、出遅れ感のある日本株も無視はできません。ただ、米国株頼みで勢い付いてきた一方、リスク要因がほかの市場にあるようです。それは、原油相場と上海株。

【図表1】日経平均(日足)
出所:マネックス証券作成

原油相場は足元堅調。順調に下値を切り上げています。NY原油先物の5月限の4月15日の終値は前日比0.49ドル安の1バレル=63.40ドル。ここに来て、ロシアと石油輸出国機構(OPEC)がシェア争いで米国に対抗するため、原油増産を決定する可能性があるとロシア財務相の発言があったといわれています。しかし、まだ調整といえるほどの下げ幅ではありません。

原油相場と上海株の不安定な動きに注意

一方、チャートの節目には、不思議といろいろ材料が出てくるものです。この程度なら大幅調整には至らないでしょうけど、価格が節目に達したことで益々弱気材料が目立ってくる可能性が高いのです。

NY原油先物は、2018年10月4日高値78.24ドルから同年12月25日安値43.29ドルまで34.95ドル程度の大幅な調整を強いられました。その後はほぼ一本調子に戻ってきましたが、直近高値である4月10日高値64.79ドルは、おおむね調整値幅に対する61.8%戻りの水準でした。いわゆる、フィボナッチの戻りを達成しました。

だから、もう上値の見込みは薄いといってしまうのは根拠が薄すぎる感もありますが、市場の変曲点というのは突然生じるものです。

上海株も不安定になってきました。前日の長い陰線に続いて、4月16日も下値を切り下げてのスタートです。実は、直近高値(3,288ポイント)は日足では見えてこない月足ベースの上値のフシで頭打ちになっているところです。

こんなにダラダラしていると、まもなく日足でも陰転する可能性が高く、10連休を前にした日本株は米株相場への期待以上に、原油相場と上海株の動きに注意が必要です。