3月決算企業の第3四半期決算も2月中旬に終了となりましたが、日本経済新聞の集計によるとその結果は米中貿易摩擦などの影響もあって経常利益が前年同期比2%増に止まり、中間期の12%余りの増益から増益幅が大きく縮小してしまいました。しかし、こうしたなかでも残すところ後3カ月ということもあって通期の業績予想を上方修正する企業も少なからずみられました。
そこで今回はそうした銘柄のなかから営業利益の今期三度目の上方修正に踏み切った3月決算銘柄をピックアップしてみました。例えば前期に続いて三度目の上方修正を行ったダイフク(6383)では期初に15%余りだった増益予想が三度の上方修正で33%近い増益予想となっています。また、ヤマトホールディングス(9064)でも三度の上方修正で88%近い増益予想となっています。
三度目の上方修正に踏み切った銘柄はこちらからチェック(PDF)
決算メモ
セブン&アイ・ホールディングス(3382)‐最高益更新見込みながら中計未達の計画‐
セブン&アイ・ホールディングスが4日に発表した2019年2月期の決算は売上高に当たる営業収益が前期比12.5%増の6兆7912億円、営業利益が同5.1%増の4116億円と増収増益となりました。
営業収益は百貨店事業とシャディ売却により専門店事業が減収となりましたが、国内コンビニ事業が堅調に推移したことに加え、米国でのSunoco社買収に伴うガソリン販売の増加により海外コンビニ事業が大幅増収となったこともあって二桁の増収を確保しています。
営業利益は百貨店事業が大幅な減益となり、国内コンビニ事業とスーパーストア事業がほぼ横ばいに止まったものの、海外コンビニ事業が大幅な増益となったことから増益を確保し、8年連続での最高益更新となりました。
今期の会社計画は営業収益が前期比0.7%減の6兆7410億円、営業利益が同2.0%増の4200億円となっています。営業利益は前期に続いて最高益を更新する見込みですが、2016年10月に発表した中期経営計画の4500億円には届かないことになります。
これは国内コンビニ事業の成長が足踏みとなることに加えて、イトーヨーカ堂とそごう・西武の改善が計画通りに進まなかったためです。こうしたなか国内コンビニ事業では新店中心から既存店中心へと投資の舵を切り収益力の向上を図る予定です。
また、イトーヨーカ堂とそごう・西武については、リストラ策を含めた具体的な対応策をこの上期の決算説明会で発表するとしています。しかし、説明会ではイトーヨーカ堂とそごう・西武に関してその対応の遅さに対する不満が目立ちました。