昭和後期は今より600倍金利が高かった
こんにちは、ファイナンシャルプランナーの山中伸枝です。新しい年号が「令和」に決まりましたね。清々しいきれいな響きです。新しい時代は、まさに若いみなさんの時代です。
少しだけ昔話をさせてください。筆者が新入社員だった昭和の後期は、銀行の定期預金の金利が6%ほどありました。今は0.01%ですから、今より600倍も金利が高かったのです。
お金の世界には「72の法則」というものがあります。お金が2倍になるまでの必要な年数を簡単に計算できる法則です。使い方は簡単、72を金利で割るだけです。例えば先ほどお伝えした金利6%で割ってみると72÷6=12、つまり当時100万円を定期預金に預けると12年で200万円になったということが分かります。
一方現在の金利ではどうでしょうか?72÷0.01=7200、つまり今預けた100万円が200万円になるまでに7200年もの時間が必要だということです。
プラスサムの投資経験が社会人としての成長につながる
30年前までは、一生懸命働いていれば、給料も上がっていきました。勤続年数と給与額が比例する「年功序列」です。働く世代の人口も多かったので国自身が成長し豊かになっていきました。当時のことを「上りのエスカレーター」と表現したりします。そして真逆の今は「下りのエスカレーター」です。こういう時代は、自らがお金を増やす努力をしていかなければなりません。
では具体的にお金を増やすにはどうしたらよいのでしょうか?答えはズバリ、「投資による資産形成」です。投資というと、なんとなく損をするのではないかと感じる方もいらっしゃると思います。例えば、FX(外国為替証拠金取引)などで取引をする際にリスクが高くなる場合があります。FXは片方の通貨の価値が上がれば、片方は下がる、そのタイミングで利ザヤを取っていく行動です。これはゼロサムと言われ、誰かの損が誰かの利益になるので、価値を創造することはありません。
一方投資とは、これから成長する国や企業にお金を働きに出し、その成長の恩恵を受けることです。これはプラスサムと呼ばれ、世界を豊かにする行為です。実は投資によって成長するのは、お金だけではありません。次世代に求められる技術やサービスを見出す力を身につけることは、みなさんのビジネスセンスを磨くことにもつながります。つまり、みなさん自身の社会人としての成長です。これがいち早く資産形成に取り組むことの最も大きなメリットです。