このレポートのまとめ
- ゼネラル・エレクトリックのアナリスト・デーについて
- ボーイング737Max8の問題について
- ピンドゥドゥの決算は、まちまち
- モンゴDBの決算は良かった
- ドーモの決算は良かった
- ドキュサインの決算は良かった
■ゼネラル・エレクトリック(GE)
3月14日、ゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)がアナリスト・デーを開催しました。
このアナリスト・デーに先立ち、GEはガイダンスを引き下げました。2019年の一株利益(EPS)は予想69セントに対し新ガイダンス50から60セントが提示されました。工業部門の売上高は+1%から+5%成長、フリー・キャッシュフローは最悪赤字20億ドルになるとコメントされました。
部門売却で財務体質を改善させること、発電部門を立て直すこと、間接部門費用を切り詰めることなどが議論されました。
発電部門に関しては2019年の売上高は前年比-9%から-6%を見込んでいます。また2020年にはプラスに転じると予想しています。
30メガワッツ以上の大型のガスタービンのグローバルでの需要は以下のように推移しました。
・2015年 56GW
・2016年 48GW
・2017年 34GW
・2018年 29GW
・2019年 予想25~30GW
ガイダンスが下がったことで株価は売られましたが、アナリスト・デーのプレゼンの内容は現実的で実現可能な内容だったので投資家には好意的に迎えられました。
■ボーイング(BA)
最新鋭の737Maxがインドネシアとエチオピアで相次いで墜落したことで、世界の航空会社や政府が737Maxの運行を見合わせています。米国連邦航空局(FAA)は当初「737Maxは大丈夫」というスタンスをとっていましたが、批判に屈する形で運行停止命令を出しました。
2度の墜落の原因はまだ究明されていません。しかし失速防止装置の誤動作が原因ではないか?と言われています。これはソフトウェアのアップグレードにより補正可能だと言われています。
航空会社は1度ある機種の導入を決めてしまうと、メンテナンス体制、社員教育などいろいろな点でコミットメントをしてしまう関係で、おいそれと機種変更できません。
そのためボーイングは一時納機がストップするリスクはあるものの、6千億ドルある737Max8の受注残が次々にキャンセルされるとは考えにくいです。
ただ、顧客である航空会社各社が代用機を調達することにより発生するコストは、ゆくゆくはボーイングが補償することになりそうです。おおまかに言ってそれは10億ドル前後と見られています。
【略号の読み方】
DPS:一株当たり配当
EPS:一株当たり利益
CFPS:一株当たり営業キャッシュフロー
SPS:一株当たり売上高
■ピンドゥドゥ(PDD)
ピンドゥドゥ(ティッカーシンボル:PDD)の第4四半期決算は一株利益(EPS)が予想-21セントに対し-24セント、売上高が予想53.1億人民元に対し56.5億人民元(8.2億ドル)、売上高成長率は前年同期比+379.4%でした。
売上高の内訳はオンライン・マーケティング・サービスが+470%の50.6億人民元(7.36億ドル)、トランザクション・サービスが+103%の5.92億人民元(8,600万ドル)でした。
GMV(取扱高)は+234%の4,716億人民元(686億ドル)でした。
月次アクティブユーザー数は+93%の2.73億人でした。
アクティブバイヤー当り消費額は1,127人民元(164ドル)、前年同期比+95%でした。
営業費用は+281%の14.2億人民元(2.07億ドル)でした。クラウド・サービス、コールセンター、マーチャント・サポート費用が増加しました。
営業キャッシュフローは57.3億人民元(8.34億ドル)でした。
バランスシート上のキャッシュは305億人民元(44億ドル)でした。
ピンドゥドゥはスマホならびにSNSに最適化された「第2世代」のネット通販企業です。
アリババなどの先行する企業との相違点は、アリババのTモールが基本、プロダクト・サーチの機能を中心として構成されているのに対し、ピンドゥドゥはユーザーの輪から上がってくる満足、推奨、話題性といったものを切り口にし、いま売れている優れもの商品を探しやすく(=ディスカバラビリティー)紹介するという特徴があります。
このため、ピンドゥドゥのユーザーはアリババのユーザーよりもエンゲージメントが高いです。具体的には閲覧回数が多いし購入回数も多いです。
アリババがそのマーケットプレイスに出展される商品の品質やニセモノといったものに余り頓着しなかったのに対し、ピンドゥドゥは品質に目を光らし、模造品を排除し、良質な製品を多く製造し、すぐに配送できるようにいろいろと業者に対して指導します。それによりユーザー・エクスペリエンスを向上させているわけです。
その結果、良い商品がすぐに見つかる、コスパが良い、購入した商品にハズレがないなどの満足を提供できています。
中国の地方都市では、ネット通販が未だ十分に行き渡っていないです。そして地方都市で求められている商品はピンドゥドゥが提案するような商品が多いのです。
■モンゴDB(MDB)
モンゴDB(ティッカーシンボル:MDB)の第4四半期(1月期)決算は一株利益(EPS)が予想-38セントに対し-17セント、売上高が予想7,402万ドルに対し8,310万ドル、売上高成長率は前年同期比+84.7%でした。
100万ドル以上の大口顧客の数は+77%でした。総顧客数は1.34万顧客です。これは前年同期比+130%でした。
第1四半期一株利益(EPS)は予想-37セントに対し、新ガイダンス-25セントから−23セントが、売上高は予想7,496万ドルに対し新ガイダンス8,200~8,400万ドルが提示されました。
2020年通年の一株利益(EPS)は予想-1.28ドルに対し、新ガイダンス-1.06ドルから-98セントが、売上高は予想3.47億ドルに対し新ガイダンス3.63~3.71億ドルが提示されました。
■ドーモ(DOMO)
ドーモ(ティッカーシンボル:DOMO)の第4四半期(1月期)決算は一株利益(EPS)が予想-1.24ドルに対し-94セント、売上高が予想3,777万ドルに対し3,940万ドル、売上高成長率は前年同期比+30.9%でした。
請求額は+26%の5,270万ドルでした。
サブスクリプションのグロスマージンンは74%でした。これは前年の64%から改善しました。
第1四半期の一株利益(EPS)は予想-1.41ドルに対し、新ガイダンス-1.30ドルから-1.26ドルが、売上高予想3,916万ドルに対し新ガイダンス4,000~4,100万ドルが提示されました。
2020年度の一株利益(EPS)は予想-4.30ドルに対、し新ガイダンス-4.07ドルから-3.99ドルが、売上高予想1.7億ドルに対し新ガイダンス1.73~1.74億ドルが提示されました。
■ドキュサイン(DOCU)
ドキュサイン(ティッカーシンボル:DOCU)の第4四半期(1月期)決算は一株利益(EPS)が予想0セントに対し6セント、売上高が予想1.94億ドルに対し2.0億ドル、売上高成長率は前年同期比+34.2%でした。
請求額は+31%の2.62億ドルでした。
第1四半期売上高予想1.98億ドルに対し、新ガイダンス2.05~2.1億ドルが提示されました。
2020年通年の売上高予想8.62億ドルに対し、新ガイダンス9.1~9.15億ドルが提示されました。