【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 23879.12 △91.67 (1/9)
NASDAQ: 6957.08 △60.08 (1/9)
1.概況
米国市場は米中貿易協議進展への期待やハト派的なFOMC議事要旨を受けて4日続伸となりました。ダウ平均は取引開始後まもなくして195ドル高まで買われた後上げ幅を縮めると小幅なマイナスに転じましたが、下げ渋ると持ち直し再び上げ幅を広げる展開となりFOMC議事要旨後には198ドル高まで上昇しました。引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局91ドル高の23,879ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も60ポイント高の6,957ポイントとなっています。
2.経済指標等
2018年12月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では数人の参加者が政策金利の引き上げに反対していたことが判明しました。また、参加者が金融市場の変動や世界経済への懸念の高まりなどにより米景気見通しや今後の金融政策についてより慎重になってきたことが分かりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、エネルギーと情報技術が1%を超える上昇となりました。一方で生活必需品や公益事業などの4業種が下げ、生活必需品は1%近く下げています。
4.個別銘柄動向
半導体のマイクロン・テクノロジー(MU)が投資判断の引き上げを受けて5%高となりました。衣料・雑貨店のアーバン・アウトフィッターズ(URBN)も投資判断の引き上げを好感して3%近く上げています。さらにハードディスク駆動装置のウエスタン・デジタル(WDC)も世界最大の家電・技術見本市「CES」で発表した新製品を評価した買いで4%以上上げたほか、不採算の3店の閉鎖を発表した百貨店のJCペニー(JCP)が急伸し10%を上回る上昇となりました。
一方で写真共有アプリスナップチャットを展開するスナップ(SNAP)が目標株価の引き下げを受けて2%近く下げました。酒類販売大手コンステレーション・ブランズ(STZ)も決算で1株利益が市場予想を下回ったことで急落し12%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利はFOMC議事要旨を受け利上げ観測が後退したことで0.02%低い2.71%となりました。ドル円はハト派的なFOMC議事要旨やFRBの連銀総裁から利上げ見送りを支持する発言が相次いだことを受けて円高に振れ108円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか3日間で860円以上上昇した日経平均が利益確定の売りも出やすいなかで下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)