2019年は日本でキャッシュレス決済が一気に広がる予想
明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
現金の使用が好まれ、キャッシュレス化が遅れていると言われる日本ですが、クレジットカード、デビットカード、SuicaやPASMOなど非接触型のカードによる決済に加え、2次元バーコードとスマホを用いた決済システムも、ソフトバンクグループのPay Pay、AppleのApple Pay、楽天の楽天Payなど続々登場し、IT大手各社の主戦場とも言えそうな状況になっています。
これまで、「現金を扱うことによるコスト」はあまり意識される機会がなかったように思われますが、保管や運搬時の安全性の確保、釣銭の確保の手間など、商店や飲食店の負担は相当なものがあります。
最近では、ファミリーレストランなどで「現金を取り扱わない」店舗も現れているほか、政府も政策としてキャッシュレス化を推進しており、本年10月の消費税増税後に実施されるポイント還元をインセンティブとして、キャッシュレス決済を普及させようとしています。
昨年9月の北海道胆振東部地震では、道内全域で停電が発生し、「停電に弱い」という問題が浮き彫りになりましたが、今年2019年はキャッシュレス決済が一気に広がることが予想されます。
中国でAlipayが顔認証の導入を発表
中国では、偽札の横行などもあり、キャッシュレス決済が日本よりも遥かに進んでいます。
以前は銀聯カード(デビットカード)による決済が主流でしたが、近年スマホと2次元バーコードによる方式が急速に普及しました。
IT大手のアリババグループが運営するAlipay(支付宝)と、同じくテンセントが提供するWeChatPay(微信支付)の2社が覇権を争っています。
北京では、地下鉄の自動改札機がバーコードの読み取り機能を有しているほか、街の屋台や物乞いまでもがバーコードを持っており、スマホ決済で商品の購入代金の支払いや施しもできるようになっています。
一方で、ここまで普及すると、悪用を考える者が出ることも避けられません。2次元バーコードを偽物にすり替える等、様々な手口による不正行為が頻発しており、運営各社にはセキュリティの強化が急務となっています。
このほど、Alipayは、これまでの暗証番号(数字6桁)による認証に代え、顔認証によりセキュリティを強化したシステムを全国で導入すると発表しました。
店舗が使用する端末を小型化し、価格も引き下げることで、負担を軽減するとしています。
既に中国国内の300都市で、数万の商店、飲食店や病院に端末が導入されており、支払いに要する時間や待ち時間の短縮につながっているそうです。
顔認証となりますと、例えば化粧やかつらの装着が影響しないかと気になるところですが、Alipayによると、判別の精度は高く、化粧等により別人と判定されることは無いそうです。
顔認証の普及で、消費者側に安心感が高まれば、一段と利用が増えることが見込まれます。セキュリティに関しては、「絶対安全」は存在しないものと考えられ、今後も各社の継続的な努力が期待されるところです。
日本ではキャッシュレス決済、認証方式の交通整理が必要か
日本でも、例えば銀行のATMで指紋認証あるいは手のひら認証(静脈のパターンを読み取るもの)が利用されていますが、キャッシュレス決済と同様、認証の方式が複数存在することで、利用者に「使いにくい」との印象を与えていることは否めません。
導入に当たっての商店、飲食店などの負担も大きいとされ、本来、政府の統制にはなじまないように思われるものの、何らかの交通整理が必要なようにも思えてしまいます。
消費税増税までに、ある程度の集約化が図られることを望みたいと思います。
ことキャッシュレス決済に関しては、様々な問題も含め、中国は日本の数年先を進んでいるように思われます。
今後も新しい技術あるいは問題が様々出てくるものと思われ、大いに注目したく思います。