【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 22859.60  ▼464.06 (12/20)
NASDAQ: 6528.41  ▼108.42 (12/20)

1.概況

米国市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて大きく下げた前日の流れを引き継ぐなか、トランプ米大統領が上院が可決したつなぎ予算にメキシコ国境の壁の建設費用が計上されない限り署名しない方針を与党・共和党幹部に対し伝えたことで米連邦政府機関の一部閉鎖の可能性が警戒され大幅続落となりました。99ドル安でスタートしたダウ平均はまもなくして下げ幅を広げる展開となり午後に入ると680ドル安近くまで下落しました。その後下げ幅を縮めたダウ平均ですが結局464ドル安の22,859ドルとなり前日に続いて年初来安値を更新しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も108ポイント安の6,528ポイントとなりこちらも連日で年初来安値を付けています。

2.経済指標等

12月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は9.4と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で11月の米景気先行指標総合指数は前月比0.2%上昇し市場予想を上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件増の21万4000件となりましたが市場予想ほど悪化しませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下げました。そのなかでもエネルギーと一般消費財・サービスが2%を超える下落となったほか、情報技術も2%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもドラッグストア大手のウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)が決算で海外事業などの売上高が市場予想を下回ったことなどが嫌気され5%安となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)とウォルマート・ストアーズ(WMT)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、マクドナルド(MCD)、エクソンモービル(XOM)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%以上下げています。IBM(IBM)も3%近く下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では、食品大手のコナグラ・ブランズ(CAG)が決算で売上高が市場予想を下回ったことで急落し16%以上下げました。クルーズ運航世界最大手のカーニバル(CCL)も利益見通しが市場予想を下回ったことで9%を超える下落となっています。一方でカナダの医療用大麻大手のティルレイ(TLRY)がベルギーのビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(BUD)と医療用大麻入りノン・アルコール飲料の開発で提携を結んだと発表したことで急伸し10%高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い2.80%となりました。ドル円では円高が進み111円台前半で推移しています。一時110円台後半まで円高が進む場面もありました。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が大幅安となったものの昨日に大きく下げていることから様子見でのスタートが予想されます。ドル円でも円高が進むなど買い材料に乏しいなかで日経平均が自律反発の動きをみせるかポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)