中国自動車工業協会の発表によると、2010年上半期の自動車生産量は前年比48.8%増の893万台で、販売量は同47.7%増の902万台となっています。業績面から見ると、2010年1~5月、自動車産業全体の売上は同60%増の1.7兆元、純利益は143%増の1436.5億元となっており、主要自動車メーカーの業績が改善しています。しかし単月ベースでは、自動車産業は少しずつ落ち込んでいます。前年同月比では成長を維持しているのですが、前月比では月ごとに減少しています。2010年3月の生産量が170万台の史上最高を更新してから、4月は前月比8.2%減の156万台、5月は前月比9.6%減の141万台、6月は前月比1.4%減の139万台と徐々に下がってきています。

自動車購入税の優遇策が縮小されたため、小型車の販売成長は減速しています。排気量が1600CC以下の小型車の上半期販売量は43.9%増の463万台となり、成長率は自動車市場全体の成長率を3.8ポイント下回っています。小型車は乗用車販売量の68.8%を占め、前年より2ポイント少なくなっています。そして、在庫回転日数も増加。中国自動車技術研究センターによると、自動車の在庫回転数は2010年2月には41日でしたが、6月には55日にまで延びています。6月末時点での在庫台数は129万台で、適切な在庫水準の上限に近づいているとのこと。 下半期の自動車市場ですが、「汽車下郷」(自動車の農村への普及)、自動車買い替え、および自動車購入税の優遇策などの政策は、もともと2009年5月が期限でしたが、2010年末まで延長されました。このため、2010年第4四半期は優遇策終了前の駆け込み需要で自動車販売が再度盛り上がる可能性があります。しかし、4月以降、販売台数が毎月落ちているところを見ると、下半期全体の販売量は上半期より減少する可能性が高いと思われます。さらに、2011年に新たな自動車消費の促進策が出なければ、来年の中国自動車市場の成長率は伸び悩みそうです。その一方で、主要自動車メーカーは生産容量の拡大を続けており、供給過剰の懸念も浮上してきています。もちろん、中国の国民所得増加と都市化の進行によって、自動車市場の長期的成長は依然として期待できます。また、中国の胡錦涛国家主席が、北京のシンポジウムで、中国経済の安定的で比較的急速な発展を実現するため、政府が2010年後半も積極的な財政政策と適度に緩和的な金融政策を堅持する必要がある、との見方を明らかにしたことからも、もしかすると優遇策の再度延長もあるかもしれません。しかし短期的に、自動車販売台数が減少していることと、消費促進策の期限切れによる市場成長が減速する可能性があることは考慮しておいた方がよさそうです。